本資料は6月28日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はmedia.bayer.comをご参照ください。
バイエルはCalanticTMデジタルソリューションでラジオロジー領域のビジネスをAI市場にも拡大
- 医用画像診断のAIアプリケーションにより、優先順位付け、病変の検出、定量化、生産性が向上
- クラウドベースのプラットフォームから、標準的な医用画像診断ワークフローに統合するAIアプリケーションへアクセスが可能
- 米国およびヨーロッパの数ヵ国から市場導入を開始
- バイエルの造影剤、造影剤自動注入装置、デジタル管理ソリューションの包括的なポートフォリオを戦略的に補完
ベルリン、2022年6月28日 ― バイエルは本日、人工知能(AI)を活用したプログラムなどの医用画像診断デジタルアプリケーションが利用できる新たなプラットフォーム、Calantic™デジタルソリューションの発売を発表しました。このプラットフォームには、放射線科医やそのチームを支援する優先順位付け、病変検出、定量化、および生産性の向上に役立つツールが含まれています。Calantic™デジタルソリューションのプラットフォームを介して放射線医療のAIアプリケーションへのアクセスを提供することにより、バイエルは包括的なポートフォリオを造影剤、造影剤自動注入装置、ソフトウェアおよびサービスからさらに拡大させます。新しいプラットフォームは、患者さんの診断から治療までのすべての段階で医療従事者をサポートします。
米国フィラデルフィア州のEinstein Healthcare Networkの放射線科責任者であるライアン・リー博士は次のように述べています。「AIには医療に変革をもたらす可能性があり、特に医用画像診断においてAIは、膨大なデータに付加価値のある知見を加え、放射線科医やそのチームの意思決定をサポートすることができます。この領域でのイノベーションを推進し、診断のスピードや精度を向上させるソリューションへの需要の高まりに対応できるデジタルツールへのアクセスを拡大することは不可欠です」
ドイツ・バイエル社ラジオロジー事業部の責任者であるゲルト・クリューガーは次のように述べています。「バイエルは放射線領域におけるリーダーとして、当社が持つ多数の診断・治療領域にわたる深い医学的知識を基盤に、Calantic™デジタルソリューションによって、患者さんや医療従事者の利益のためにイノベーションを加速し続けていくというコミットメントを強化していきます。当社はCalantic™デジタルソリューションと共に放射線医療市場において最も急成長している分野へ参入していきます。放射線科医やそのチームのために疾患に応じた最先端の第三者および自社のソリューションを届けるという当社ミッションに従い、製品プロバイダーからソリューションプロバイダーへと向かう次のステップに進みます」
Calantic™デジタルソリューションは、患者さんの治療過程の重要な段階で放射線科医やそのチームを支援する一連のAIなどが活用された放射線医療用デジタルアプリケーションを提供するプラットフォームです。特定のベンダーに依存しない、クラウドベースのこのプラットフォームには、優先順位付け、病変検出、および定量化に役立つよう設計された多数のアプリケーションのほか、ルーチンのタスクや測定の自動化を通して、放射線科のワークフローを改善し、放射線科医やそのチームに時間的な余裕を与えてくれるアプリケーションが含まれます。今後、身体の部位や手技を自動化、最適化するアプリケーションを提供します。まずは胸部疾患と神経疾患に着目し、肺結節の検出や脳内出血(ICH)および脳主幹動脈閉塞(LVO)の可能性のトリアージを行うことが可能になります。ICHとLVOは脳卒中をきたす可能性のある事象です。今後、さらに疾患特異的なアプリケーションパッケージが追加される予定です。バイエルは、このプラットフォームおよびプラットフォーム内のアプリケーションの導入、調整、トレーニングに関するサービスを提供します。まず米国とヨーロッパの数ヵ国で発売され、今後、さらに多くの地域でも当局からの承認が取得でき次第、順次発売される予定です。
医用画像診断におけるAIについて
放射線医療用AI市場は、放射線医療市場全体で最も急成長している分野で、世界の売上高は4億ユーロ規模です。今後も力強い成長が見込まれる分野であり、2025年までの年平均成長率は25%を超えると推定されています。AIを活用したイノベーションは、人口の高齢化およびライフスタイルの変化に伴う癌や心血管疾患などの慢性疾患の増加から、これまで以上に必要とされています。その結果、疾患を検出し、治療判断の指針を示し、治療計画をサポートする医用画像診断の需要が高まっています。AIは、診断を加速させ放射線検査の処理能力を向上させる価値を提供します。
時間のプレッシャーと業務負荷が放射線科医の突然の意欲低下の一因となっており、これは特に重要です。この状況を悪化させているのが、熟練した放射線科医の不足1です。また、長時間の残業に伴って診断エラーの割合が増加することが複数の文献で示されています。2018年の文献では、毎年世界で画像診断に関連する診断エラーが4000万件発生している2と報告されています。デジタル技術は放射線科医やそのチームの増大する業務の負担軽減に役立ち、最終的には患者さんのケアの向上につながる可能性があります。
References:
1 The Complexities of Physician Supply and Demand: Projections From 2018 to 2033. AAMC. https://www.aamc.org/media/45976/download; the Royal Colleague of Radiology: Clinical Radiology UK workforce census report 2020: https://www.rcr.ac.uk/system/files/publication/field_publication_files/clinical-radiology-uk-workforce-census-2020-report.pdf
2 Fundamentals of Diagnostic Error in Imaging, Itri et al. (2018) https://pubs.rsna.org/doi/full/10.1148/rg.2018180021
バイエルのラジオロジー領域について
誰もが自分の健康について明確な答えを得る権利があり、それは早期かつ正確な診断から始まります。放射線医療領域で100余年の歴史を持つ真のライフサイエンス企業として、バイエルは、革新的な製品から高品質のサービスまで、卓越したものを提供することに注力しています。バイエルは、コンピュータ断層撮影(CT)、X線撮影、および磁気共鳴画像法(MRI)用の造影剤、それらを正確に投与するための自動注入装置、患者さんのケアの効率化と最適化をサポートするインフォマティクスソリューションの優れたポートフォリオと、定評のある教育プログラムを有し、それによって2021年には18億ユーロの売上を達成しました。2030年までに放射線医療市場の年平均成長率5%をしのぐという大きな目標のもとで、バイエルは、医療画像診断において人工知能を活用し、イノベーションを推進するなど、研究開発に熱心に取り組んでいます。このような取り組みのひとつひとつによって、診断からケアにいたるまで、治療に重要な答えと明確な方向性を示す放射線科医の任務をサポートする有効なツールを提供します。
バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。その製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力します。同時に、収益力を高め、技術革新と成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。グループ全体の売上高は441億ユーロ、従業員数は約100,000名(2021年)。特別項目計上前の研究開発費は53億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。
バイエル薬品株式会社
2022年7月28日、大阪
将来予想に関する記述(Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述(Forward-Looking Statements)が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。