- 2型糖尿病を合併する慢性腎臓病(CKD)の適応を持つ唯一のMR拮抗薬
- 心血管・腎臓障害の原因となる炎症・線維化を引き起こすMRの過剰活性化をターゲットに開発
- 計13,000人以上が参加した2つの大規模臨床試験FIGARO-DKD とFIDELIO-DKDに基づく承認
大阪、2022年6月2日 ― バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:フリオ・トリアナ、以下「バイエル薬品」)は、2型糖尿病を合併するCKD(ただし、末期腎不全または透析施行中の患者を除く)の適応を持つ唯一の非ステロイド型選択的MR拮抗薬として、「ケレンディア®錠」(一般名:フィネレノン)を本日、発売しましたのでお知らせします。
2型糖尿病を合併するCKDの進行は、血圧などの血行動態、血糖コントロール不良などの代謝に加え、炎症や線維化が要因として知られています1,2。2型糖尿病を合併するCKD患者のアンメット・メディカル・ニーズである心血管や腎臓の障害を抑制するためには、血行動態や代謝だけでなく、MRの過剰活性化が関与する炎症や線維化への介入が必要とされています。ケレンディア®錠は、MRに選択的に結合し、炎症や線維化を引き起こすMRの過剰活性化を抑えることにより、心血管および腎臓の障害を抑制します。心血管・腎臓障害の原因となる炎症・線維化を引き起こすMRの過剰活性化をターゲットに開発されたケレンディア®錠は、CKD治療において新規作用機序の薬剤です。
ケレンディア®錠は、2型糖尿病を合併するCKD患者計13,000人以上が参加した2つの大規模臨床試験(FIGARO-DKD、FIDELIO-DKD)のデータに基づき承認されました。FIGARO-DKD試験は、比較的重症度の低い集団を含むCKD患者が対象である一方、FIDELIO-DKD試験は、比較的進行したCKD患者が対象でした。各有効性主要評価項目において、ケレンディア®群はプラセボ群と比べ、FIGARO-DKD試験では心血管複合エンドポイントの発現リスクを13%、FIDELIO-DKD試験では腎複合エンドポイントの発現リスクを18%それぞれ有意に低下させました。また、2試験より、ケレンディア®錠の安全性プロファイルが示されました。重大な副作用は高カリウム血症でした。2試験のデータは、医学誌ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに2021年8月および2020年10月にそれぞれ掲載されています。
バイエル薬品は腎領域において、CKDの主要な合併症の1つである腎性貧血の治療剤マスーレッド®錠(同:モリデュスタットナトリウム)、および、CKDにおける高リン血症治療剤ホスレノール®(同:炭酸ランタン水和物)を販売しており、新たにケレンディア®錠の提供を開始しました。医療関係者向け腎領域の総合情報サイト「Renal CONNECT」など、デジタルを通じた腎領域製品の情報提供活動も積極的に推進していきます。また、ケレンディア®錠は、心不全および非糖尿病性CKDをそれぞれ対象とする第Ⅲ相臨床試験が進行しており、バイエル薬品は今後も、腎領域のアンメット・メディカル・ニーズに応えるために力を注いでまいります。