本資料は9月8日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.press.bayer.comをご参照ください。
アフリベルセプト8mg、最大89%の患者で16週への投与間隔延長を初めて達成
- アフリベルセプト8mgは、新生血管(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)患者および糖尿病黄斑浮腫(DME)患者を対象とした2つのピボタル試験で主要評価項目を達成し、48週目の最高矯正視力の改善でアイリーア(アフリベルセプト2mg)に対する非劣性を示した
- nAMD患者の77%およびDME患者の89%で16週ごとの投与間隔を維持し、最初の1年間の投与回数が5回と効果の持続性が高いことが示された
- アフリベルセプト8mgの安全性は、アイリーア(アフリベルセプト2mg)の安全性プロファイルと一致していた
- バイエルはこれらのデータを、米国を除く地域で規制当局に提出する予定
ドイツ・ベルリン、2022年9月8日 ― ドイツ・バイエル社は本日、アフリベルセプト8mgについて、新生血管(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)患者と糖尿病黄斑浮腫(DME)患者を対象に、12週および16週ごとの投与レジメンで検討した2つのピボタル試験で、48週目でそれぞれの主要評価項目を達成したことを発表しました。nAMD患者を対象とした第III相試験(PULSAR試験)およびDME患者を対象とした第II/III相試験(PHOTON試験)では、アフリベルセプト8mgの投与間隔を延長した2つのレジメンが、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)の月1回複数回投与後8週ごとの投与レジメンと比較して、最高矯正視力(BCVA)において非劣性であるかを検討しました。これらの試験において、アフリベルセプト8mgの安全性は、アイリーアの安全性プロファイルと一致していました。バイエルはこれらのデータを、米国を除く地域で規制当局に提出する予定です。
フランス・ボルドー大学病院眼科主任で治験担当医のジャンフランソワ・コロベルニク教授は次のように述べています。「これらの画期的な結果は、患者さんにとって素晴らしいニュースです。アフリベルセプト8mgは、より少ない投与回数で視力の改善をもたらしただけでなく、アイリーアと同様の安全性プロファイルを示しました」
また、米国・テキサス網膜コンサルタンツのリサーチディレクターで治験担当医のデビット・ブラウン氏は次のように述べています。「アフリベルセプト8mgの両ピボタル試験では、90%近くの糖尿病黄斑浮腫患者さんと約80%の新生血管(滲出型)加齢黄斑変性患者さんで16週ごとの投与レジメンを維持できました。アイリーアと同様の安全性プロファイルに加えて、このかつてない効果の持続性は、これらの疾患に対してアフリベルセプト8mgが新しい標準治療となり得る可能性を支持しています」
アフリベルセプト8mgは、二重遮蔽、実薬対照の2つのピボタル試験―nAMD患者対象のPULSAR試験(1,009例)およびDME患者対象のPHOTON試験(658例)―において、その有効性および安全性がアイリーアと比較検討されました。両試験とも多施設の国際共同試験で、試験デザインと評価項目を同様に設定しました。両試験とも48週目において、主要評価項目であるアフリベルセプト8mgのアイリーアに対する非劣性が示されました。その他の成績は下記の通りです。
アフリベルセプト8mgの16週ごとの投与群では、PULSAR試験(312例)のnAMD患者で77%、PHOTON試験(156例)のDME患者で89%が16週ごとの投与間隔を維持し、最初の1年間の平均投与回数は5回でした。
アフリベルセプト8mgの12週ごとの投与群では、PULSAR試験(316例)のnAMD患者で79%、PHOTON試験(300例)のDME患者で91%が12週ごとの投与間隔を維持し、最初の1年間の平均投与回数は6回でした。
アフリベルセプト8mg投与群を統合解析した結果、PULSAR試験のnAMD患者で83%、PHOTON試験のDME患者で93%が、12週以上の投与間隔を維持できました。
両試験においてアフリベルセプト8mgの安全性はアイリーアと同様で、これまでの臨床試験でアイリーアが示した安全性プロファイルと一致していました。アフリベルセプト8mgとアイリーアを比較したところ、眼における重篤な有害事象の発現割合は、PULSAR試験ではそれぞれ1.6%および0.6%、PHOTON試験では0.6%および0.6%でした。眼内炎症の発現割合は、PULSAR試験ではそれぞれ0.7%および0.6%、PHOTON試験では0.8%および0.6%でした。各投与群の眼圧について、臨床的に意味のある差はありませんでした。両試験ともに網膜血管炎の発現例はなく、新たな安全性シグナルは認められませんでした。
ドイツ・バイエル社医療用医薬品部門の経営委員会メンバーで研究開発責任者のクリスチャン・ロンメルは次のように述べています。「現在、より頻回の投与が必要とされているのに対し、これらのデータは、投与間隔を延長したアフリベルセプト8mgが大多数の患者さんの治療負担を大幅に軽減できることを示す画期的なものです。これら全ては、視力の改善や維持およびアイリーアと同様の安全性を示しつつ達成されたのです」
PULSAR試験とPHOTON試験から得られた有効性と安全性の詳細は、今後の学会で発表される予定です。
バイエルとリジェネロン社は、アフリベルセプト8mgの国際共同開発を行っています。リジェネロン社はアイリーアおよびアフリベルセプト8mgの米国内での独占販売権を保有しています。バイエルは米国以外での独占販売権を有し、その利益は両社で均等分配されます。
アフリベルセプト8mgは開発中であり、その安全性および有効性は、まだ規制当局による評価を受けていません。
滲出型加齢黄斑変性(nAMD)および糖尿病黄斑浮腫(DME)について
滲出型加齢黄斑変性(nAMD)は急速に進行する眼の疾患であり、治療を行わずに放置すると、わずか3か月で視力の喪失に至る可能性があります。nAMDは世界中で、回復不可能な失明や視力障害の主な原因の1つとなっています。nAMDは加齢の影響を受ける可能性があります。異常な血管が新生し、中心視力を調節し鮮明な視力を維持するのに深く関わる黄斑下に滲出液が漏出することで起きます。この滲出液は黄斑に傷をつけ損傷させることで、視力低下を引き起こします。世界で1億9600万人がAMDを発症しており、2040年までには2億8800万人に増加すると予測されています。
糖尿病黄斑浮腫(DME)は、糖尿病患者によく見られる眼の合併症です。高血糖が眼内の血管を傷つけ、滲出液が黄斑内に漏出することで発症します。視力低下を引き起こし、場合によっては失明に至ります。世界で1億4600万人が糖尿病網膜症(DR)を発症しており、より深刻な疾患であるDMEを引き起こす可能性があります。
バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。その製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力します。同時に、収益力を高め、技術革新と成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。グループ全体の売上高は441億ユーロ、従業員数は約100,000名(2021年)。特別項目計上前の研究開発費は53億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。
バイエル薬品株式会社
2022年9月12日、大阪
将来予想に関する記述(Forward-Looking Statements)
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