本資料は2月6日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.press.bayer.comをご参照ください。

バイエル、アフリベルセプト8mgを2つの重要な網膜疾患に対する治療薬としてEU規制当局に承認申請

  • アフリベルセプト8mgの新生血管(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)および糖尿病黄斑浮腫(DME)に対する治療薬としての承認申請は、PULSAR試験とPHOTON試験の良好な結果に基づく
  • アフリベルセプト8mgは両試験で、投与間隔が最長16週間とこれまでにない持続性を示し、48週を通して対照薬のアイリーア®(アフリベルセプト2mg)と同等の視力維持と、短期間で回復力がある浸出液のコントロールを示した
  • アフリベルセプト8mgの安全性は、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)の安全性プロファイルと一致していた
  • 投与間隔の延長と少ない投与回数は、nAMDおよびDMEにおいて重要な患者ニーズを満たす

 

ドイツ・ベルリン、2023年2月6日 ― バイエルは、2つの重要な網膜疾患である新生血管(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)および糖尿病黄斑浮腫(DME)を適応として、アフリベルセプト8mgの販売承認申請を欧州医薬品庁(EMA)に提出しました。

 

この申請は、nAMDを対象とした第III相試験(PULSAR試験)およびDMEを対象とした第II/III相試験(PHOTON試験)から得られた良好なデータに基づいたものです。いずれの試験でも、月1回複数回投与後にアフリベルセプト8mgの投与間隔を延長した2つの投与レジメン(12週ごとおよび16週ごと)は、8週ごとに投与するアイリーア®(アフリベルセプト2mg)に対して、主要評価項目である48週目の最高矯正視力(BCVA)で非劣性を達成しました。アフリベルセプト8mgではnAMD患者の77%およびDME患者の89%が16週ごとの投与間隔を維持し、48週までの平均投与回数は5回でした。12週ごとの投与群では、nAMD患者の79%およびDME患者の91%がアフリベルセプト8mgの12週ごとの投与間隔を維持し、48週までの平均投与回数は6回でした。いずれの試験でも、アフリベルセプト8mgの安全性プロファイルはアイリーア(アフリベルセプト2mg)の既知の安全性プロファイルと一致しました。

 

ドイツ・バイエル社医療用医薬品部門の経営委員会メンバーで研究開発責任者のクリスチャン・ロンメルは次のように述べています。「新生血管加齢黄斑変性や糖尿病黄斑浮腫の患者さんは視力を維持し、視力障害や失明を予防するために、継続的な治療を余儀なくされています。しかし、一部の患者さんは治療順守に苦慮しています。そのため、投与間隔の延長は重要な患者ニーズを満たすものです。これらピボタル試験の結果において、アフリベルセプト8mgはこれまでにない持続性を示しました。また、標準治療であるアイリーアと比べて、同等の視力維持および同様な安全性プロファイルを示したのです。」

 

これらの臨床試験では、形態学的所見(副次評価項目)についても検討しました。その結果、アフリベルセプト8mgはアイリーア(アフリベルセプト2mg)と比較して、nAMDで優れた浸出液のコントロールを示し、nAMDおよびDMEでは12週および16週ごとの投与間隔で48週目まで優れた疾患コントロールを示しました。また、nAMDおよびDMEにおいて、48週目における中心網膜厚(CRT)の平均変化量は、アフリベルセプト8mgを12週および16週ごとの投与群とアイリーア(アフリベルセプト2mg)8週ごとの投与群で同様の減少を示しました。

 

両試験において、アフリベルセプト8mgの安全性はアイリーア(アフリベルセプト2mg)の既知の安全性プロファイルと類似しており、過去の臨床試験と同様でした。眼内炎症反応(IOI)の発現率は、PULSAR試験ではアフリベルセプト8mgで0.7%、アイリーア(アフリベルセプト2mg)で0.6%、PHOTON試験ではそれぞれ0.8%および0.6%でした。重度のIOIの発現はありませんでした。投与群間で臨床的に重要な眼圧の差は認められませんでした。いずれの試験でも、48週を通して眼内炎や網膜血管炎の発現はなく、新たな安全性シグナルも認められませんでした。

 

バイエルとリジェネロン社は、アフリベルセプト8mgの共同開発を行っています。リジェネロン社はアイリーアおよびアフリベルセプト8mgの米国内での独占販売権を保有しています。バイエルは米国以外での独占販売権を有し、アイリーアの利益は両社で均等分配されます。

 

アフリベルセプト8mgは開発中であり、その安全性および有効性は、まだ規制当局による評価を受けていません。

アフリベルセプト8mgについて

アフリベルセプト8mgは、治療負担の軽減を目的に投与間隔の延長という重要な患者ニーズを満たすために開発されました。アフリベルセプト8mgのモル用量は標準治療(アフリベルセプト2mg)の4倍となり、その目的は血管内皮増殖因子(VEGF)抑制時間を延長することにあります。アフリベルセプト8mgは新生血管(滲出型)加齢黄斑変性(PULSAR試験)および糖尿病黄斑浮腫(PHOTON試験)を対象に、有効性および安全性がアイリーア(アフリベルセプト2mg)と比較検討されました。

PULSAR試験とPHOTON試験について

PULSAR試験およびPHOTON試験は、二重遮蔽実薬対照試験です。両試験とも、世界各地の複数の医療機関で同様な試験デザインおよび評価項目で実施されました。nAMDを対象とした第III相試験(PULSAR試験)およびDMEを対象とした第II/III相試験(PHOTON試験)では、月1回複数回投与後に、アフリベルセプト8mgの12週および16週ごとの投与レジメンの有効性および安全性を、アイリーア(アフリベルセプト2mg)の8週ごとの投与レジメンと、48週目における主要評価項目で比較評価しました。両試験においてベースライン時に、患者は3つの異なる投与群に無作為に割付されました。両試験でアフリベルセプト8mgが1,164例の患者に投与されました。アフリベルセプト8mg投与群のすべての患者は、16週目から試験期間を通して、臨床的な観点から患者の状態に応じた用法変更(DRM)基準を厳格に順守し、継続的に評価されました。いずれの試験でも、48週を通して適切な疾患管理を確保するために、アフリベルセプト8mg投与群の患者を複数時点でDRM基準に基づいて評価しました。

新生血管(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)および糖尿病黄斑浮腫(DME)について

新生血管(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)は急速に進行する眼の疾患であり、治療を行わずに放置すると、わずか3カ月で視力の喪失に至る可能性があります。nAMDは世界中で、回復不可能な失明や視力障害の主な原因の1つとなっています。nAMDは加齢の影響を受ける可能性があります。異常な血管が新生し、中心視力を調節し鮮明な視力を維持するのに深く関わる黄斑下に滲出液が漏出することで起きます。この滲出液は黄斑に傷をつけ損傷させることで、視力低下を引き起こします。世界で1億9600万人がAMDを発症しており、2040年までには2億8800万人に増加すると予測されています。

 

糖尿病黄斑浮腫(DME)は、糖尿病患者によく見られる眼の合併症です。高血糖が眼内の血管を傷つけ、滲出液が黄斑内に漏出することで発症します。視力低下を引き起こし、場合によっては失明に至ります。世界で1億4600万人が糖尿病網膜症(DR)を発症しており、より深刻な疾患であるDMEを引き起こす可能性があります。

バイエルについて

バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。その製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力します。同時に、収益力を高め、技術革新と成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。グループ全体の売上高は441億ユーロ、従業員数は約100,000名(2021年)。特別項目計上前の研究開発費は53億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。

 

 

バイエル薬品株式会社
2023年2月9日、大阪

将来予想に関する記述(Forward-Looking Statements)

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