バイエル薬品 アフリベルセプト8mgを日本国内で承認申請

  • PULSAR試験とPHOTON試験の良好な結果に基づき、アフリベルセプト8mgを新生血管(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)と糖尿病黄斑浮腫(DME)の治療薬として厚生労働省に承認申請
  • アフリベルセプト8mgは両試験において、48週時点で最長16週間の投与間隔でこれまでにない持続性を示し、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)と同等の視力維持と、短期間で良好な滲出液のコントロールを示した
  • アフリベルセプト8mgの安全性は、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)の安全性プロファイルと同様だった
  • 投与間隔延長と投与回数減少による治療負担軽減は、重要な患者ニーズに対応する

 

 

大阪、2023年3月1日 ― バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:フリオ・トリアナ、以下「バイエル薬品」)はこのほど、2つの主要な網膜疾患である新生血管(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)および糖尿病黄斑浮腫(DME)の治療薬として、眼科用VEGF阻害剤アフリベルセプト8mgの承認申請を厚生労働省に行いました。

 

今回の申請は、nAMDを対象とした第III相試験(PULSAR試験)およびDMEを対象とした第II/III相試験(PHOTON試験)から得られた良好なデータに基づいたものです。アフリベルセプト8mgは、有効性と安全性を損なうことなく投与間隔を延長し、治療負担を軽減することを目指し開発されました。

 

ドイツ・バイエル社医療用医薬品部門の経営委員会メンバーで、研究開発責任者のクリスチャン・ロンメルは次のように述べています。「投与間隔の延長は、滲出性網膜疾患の患者さんの治療負担を大幅に軽減し、重要な患者ニーズを満たすものです。アフリベルセプト8mgは、より長い投与間隔で標準治療のアイリーアと同等の視力および安全性を示しました。このイノベーションを日本の患者さんにお届けできることを嬉しく思います。」

 

PULSAR試験とPHOTON試験では、月1回複数回投与後にアフリベルセプト8mgの投与間隔を延長した2つの投与レジメン(12週ごとおよび16週ごと)と、8週ごとに投与するアイリーア®(アフリベルセプト2mg)を比較しました。その結果、投与間隔を延長したアフリベルセプト8mgは、主要評価項目である48週目の最高矯正視力で、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)に対して非劣性を示しました。アフリベルセプト8mgの16週ごと投与群では、nAMD患者の77%およびDME患者の89%で16週ごとの投与間隔の維持という、これまでにない持続性を示し、48週までの平均投与回数は5回でした。また、12週ごと投与群ではnAMD患者の79%およびDME患者の91%で12週ごとの投与間隔を維持し、48週までの平均投与回数は6回でした。さらに、アフリベルセプト8mgは、48週を通してアイリーア®(アフリベルセプト2mg)と比較して、短期間で良好な滲出液コントロールを示しました。

 

アフリベルセプト8mgの安全性は、両試験においてアイリーア®(アフリベルセプト2mg)の既知の安全性プロファイルと類似しており、過去の臨床試験と同様でした。アフリベルセプト8mgにおける眼内炎症反応と眼圧上昇の発現割合は低く、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)と同様でした。いずれの試験でも、48週を通して眼内炎や網膜血管炎の発現はなく、新たな安全性シグナルも認められませんでした。

 

バイエル社とリジェネロン社は、アフリベルセプト8mgの国際共同開発を行っています。リジェネロン社はアイリーア®とアフリベルセプト8mgの米国内での独占販売権を保有しています。バイエル社は米国以外での独占販売権を有し、その利益は両社で均等分配されます。日本は例外で、リジェネロン社は日本での売上に応じて一定割合を受け取ります。

 

アフリベルセプト8mgは申請中であり、その安全性および有効性は、まだ規制当局による評価を受けていません。

 

アイリーア®はこれまでに、中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫、血管新生緑内障および未熟児網膜症の適応を日本国内で取得しています。

【アフリベルセプト8mgについて 】

アフリベルセプト8mgは、有効性と安全性を損なうことなく投与間隔を延長し、治療負担を軽減することを目指し開発されました。アフリベルセプト8mgはnAMD (PULSAR試験)およびDME(PHOTON試験)を対象に、有効性および安全性がアイリーア®(アフリベルセプト2mg)と比較検討されました。

【PULSAR試験とPHOTON試験について】

PULSAR試験およびPHOTON試験は、二重遮蔽実薬対照試験です。両試験とも、世界各地の複数の医療機関で同様な試験デザインおよび評価項目で実施されました。nAMDを対象とした第III相試験(PULSAR試験)およびDMEを対象とした第II/III相試験(PHOTON試験)では、月1回複数回投与後に、アフリベルセプト8mgの12週および16週ごとの投与レジメンの有効性および安全性を、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)の8週ごとの投与レジメンと、48週目における主要評価項目で比較評価しました。両試験においてベースライン時に、患者は3つの異なる投与群に無作為に割付されました。両試験でアフリベルセプト8mgが1,164例の患者に投与されました。アフリベルセプト8mg投与群のすべての患者は、16週目から試験期間を通して、臨床的な観点から患者の状態に応じた用法変更基準を厳格に順守し、継続的に評価されました。いずれの試験でも、48週を通して適切な疾患管理を確保するために、アフリベルセプト8mg投与群の患者を複数時点で基準に基づいて評価しました。

【nAMDおよびDMEについて】

nAMDは急速に進行する眼の疾患であり、治療を行わずに放置すると、わずか3カ月で視力の喪失に至る可能性があります。nAMDは世界中で、回復不可能な失明や視力障害の主な原因の1つとなっています。nAMDは加齢の影響を受ける可能性があります。異常な血管が新生し、中心視力を調節し鮮明な視力を維持するのに深く関わる黄斑下に滲出液が漏出することで起きます。この滲出液は黄斑に傷をつけ損傷させることで、視力低下を引き起こします。世界で1億9600万人がAMDを発症しており、2040年までには2億8800万人に増加すると予測されています。

 

DMEは、糖尿病患者によく見られる眼の合併症です。高血糖が眼内の血管を傷つけ、滲出液が黄斑内に漏出することで発症します。視力低下を引き起こし、場合によっては失明に至ります。世界で1億4600万人が糖尿病網膜症(DR)を発症しており、より深刻な疾患であるDMEを引き起こす可能性があります。

 

※バイアル製剤のみ承認を取得しています。

【バイエルについて】

バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。その製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力します。同時に、収益力を高め、技術革新と成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。グループ全体の売上高は441億ユーロ、従業員数は約100,000名(2021年)。特別項目計上前の研究開発費は53億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。

 

【バイエル薬品株式会社について】

バイエル薬品株式会社は本社を大阪に置き、医療用医薬品、コンシューマーヘルスの各事業からなるヘルスケア企業です。医療用医薬品部門では、循環器・腎臓領域、オンコロジー領域、眼科領域、婦人科領域、血液領域、画像診断領域に注力しています。コンシューマーヘルス部門では、プレナタルサプリメントや腟カンジダ抗真菌剤に注力しています。同社は、技術革新と革新的な製品によって、日本の患者さんの「満たされない願い」に応える先進医薬品企業を目指しています。詳細はwww.pharma.bayer.jpをご参照ください。

 

 

バイエル薬品株式会社
2023年3月1日、大阪

将来予想に関する記述(Forward-Looking Statements)

このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述(Forward-Looking Statements)が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。