本資料は6月29日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.press.bayer.comをご参照ください。
アフリベルセプト8mg、糖尿病黄斑浮腫(DME)において2年目に投与間隔を16~24週まで延長した83%の患者で持続的な視力改善が得られた
- ピボタル試験であるPHOTON試験の結果から、アフリベルセプト8mgの投与間隔を延長した場合の2年目の長期的な有効性が、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)の固定された8週ごとの投与と同様であることが示された
- ベースライン時にアフリベルセプト8mgを16週ごとに投与する群に割り付けられた患者の平均投与回数は、アイリーア®より6回少ない7.8回であった
- 糖尿病黄斑浮腫(DME)患者におけるアフリベルセプト8mgの安全性プロファイルは、アイリーア®と同様であり、新たな安全性シグナルは認められなかった
- 新生血管(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)患者を対象としたアフリベルセプト8mgのPULSAR試験の2年目の結果は、2023年の下半期に得られる予定
ベルリン、2023年6月29日 ― ドイツ・バイエル社は、アフリベルセプト8mgのピボタル試験であるPHOTON試験の2年(96週)目のトップライン結果を発表しました。本試験は、糖尿病黄斑浮腫(DME)患者を対象に、アフリベルセプト8mgの投与間隔を最長24週まで延長する投与群と、現在の標準治療であるアイリーア®(アフリベルセプト2mg)の固定された8週ごとの投与群を比較し評価しました。この2年目の試験結果は、DME患者に対するアフリベルセプト8mgの長期的な有効性および安全性、そしてこれまでにない持続性を示すものです。
アフリベルセプト8mg投与群において12週以上の投与間隔を維持した患者の割合は、1年(48週)目が93%に対して2年(96週)目は89%でした。かなりの数の患者が、16週を超えた投与間隔の延長基準を満たし、そのうちの43%が20週以上の投与間隔で、27%が24週の投与間隔でした。
ベースライン時にアフリベルセプト8mgを16週ごとに投与する群に無作為割付された患者のうち16週以上の投与間隔を維持したのは、1年目が89%に対して2年目は83%でした。また、この投与群における96週目までの平均投与回数は、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)の固定された8週ごとの投与群の13.8回に比べて6回少ない7.8回でした。さらにアフリベルセプト8mgの投与間隔の延長は、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)の標準的な治療と同様の持続的な視力改善と安全性を示しました。
英国ロンドンのムーアフィールド眼科病院の眼科教授兼コンサルタントであり、PHOTON試験の治験運営委員会メンバーであるソバ・シヴァプラサド氏は、次のように述べています。「アフリベルセプト8mgが、対照群のアイリーア®(アフリベルセプト2mg)と同様の結果を示しつつ、多くの割合の患者さんに対して2年で最長24週まで投与間隔を延長させることを可能にしたことを嬉しく思います。これは臨床的に重要な結果であり、将来さらに多くの患者さんにおいて疾病の負担を軽減することを可能にし、治療アドヒアランスの向上と、それに伴う患者さんの転帰改善に寄与することを示しています」
ドイツ・バイエル社の医療用医薬品部門の経営委員会メンバーで、研究開発責任者のクリスチャン・ロンメルは次のように述べています。「DMEは視力低下の主な原因の一つです。投与間隔の延長は患者さんの疾病の負担軽減につながり、バイエルはこうした患者さんへの支援に全力で取り組みます。現時点におけるデータは、投与間隔が固定されたアイリーア®(アフリベルセプト2mg)の用法に比べ、アフリベルセプト8mgがより効果的かつ長期にわたって疾患のコントロールを維持できることを示しています」
ピボタル試験であるPHOTON試験では、アフリベルセプト8mgの最初の3回は1ヵ月ごとに投与した後の12週または16週までの投与間隔が、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)の最初の5回は1ヵ月ごとに投与した後の8週ごとの投与と比較して、治療1年目の最高矯正視力(BCVA)の改善において非劣性が示され、主要評価項目を達成しました。今回の2年目のデータは、DME患者に対するアフリベルセプト8mgの投与間隔の延長における有効性、安全性および持続性を示す結果となりました。
本試験では、ベースライン時にアフリベルセプト8mgを12週または16週ごとに投与する群に無作為割付された患者は、最初の3回は1ヵ月ごとに投与した後に事前に規定された基準を満たせば、2年目に視力を失うことなく投与間隔を短縮または延長することができました。
アフリベルセプト8mgの安全性プロファイルは、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)によって十分に確立された安全性プロファイルと類似しており、過去の臨床試験において確認された安全性と一貫していました。
新生血管(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)におけるアフリベルセプト8mgを評価するPULSAR試験の2年目の結果は2023年の下半期に得られる予定で、両試験のデータセットは2023年に開催の学術集会で発表される予定です。
バイエルとリジェネロン社は、アフリベルセプト8mgの共同開発を行っています。リジェネロン社はアイリーア®とアフリベルセプト8mgの米国内での独占販売権を保有しています。バイエルは米国以外での独占販売権を有し、アイリーア®の利益は両社で均等分配されます。
アフリベルセプト8mgは承認申請中であり、その安全性および有効性は、まだ米国以外の規制当局による評価を受けていません。
【PULSAR試験およびPHOTON試験について】
PULSAR試験およびPHOTON試験は、二重遮蔽実薬対照試験です。両試験とも、世界各地の複数の医療機関で同様の試験デザインおよび評価項目で実施されました。nAMDを対象とした第III相試験(PULSAR試験)およびDMEを対象とした第II/III相試験(PHOTON試験)では、月1回複数回投与後に、アフリベルセプト8mgの12週および16週ごとの投与の有効性および安全性を、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)の8週ごとの投与と、48週目における主要評価項目で比較評価しました。2年(96週)目の結果が得られた段階で本試験の盲検期間は終了します。それ以降は、投与間隔を最長24週まで延長することができ、156週目まで非盲検下で治療を1年間継続することができます。両試験においてベースライン時に、患者は3つの異なる投与群に無作為に割付されました。両試験でアフリベルセプト8mgが1,164例の患者に投与されました。アフリベルセプト8mg投与群のすべての患者は、16週目から試験期間を通して、臨床的な観点から患者の状態に応じた用法変更(DRM)基準を厳格に順守し、継続的に評価されました。アフリベルセプト8mg投与群の患者は、1年目に疾患の増悪に関連したDRM基準が観察された場合、投与間隔を8週に短縮することが認められました。投与間隔の延長は、2年目に入るまで行うことができませんでした。2年目は、患者がDRM基準を満たせば、投与間隔の短縮または延長が認められました。両試験ともに試験期間中、すべてのアイリーア®(アフリベルセプト2mg)投与群の患者は、固定された8週ごとの投与間隔を維持しました。PULSAR試験およびPHOTON試験の主な治験依頼者は、それぞれバイエルならびにリジェネロン社でした。
【糖尿病黄斑浮腫(DME)について】
DMEは、糖尿病患者によく見られる眼の合併症です。高血糖が眼内の血管を傷つけ、滲出液が黄斑内に漏出することで発症します。視力低下を引き起こし、場合によっては失明に至ります。世界で1億4600万人が糖尿病網膜症を発症しており、より深刻な疾患であるDMEを引き起こす可能性があります。DMEの患者数は、世界で約2,100万人と推計されています。
バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。その製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、技術革新と成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。グループ全体の売上高は507億ユーロ、従業員数は約101,000名(2022年)。特別項目計上前の研究開発費は62億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。
バイエルのビジョンについて
世界中のバイエル社員は、「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」というビジョンの実現に向け、革新的な製品とサービスを通じて、医療と食糧へのアクセス向上に貢献しています。私たちは、飢餓をなくし、すべての人々が健康的な生活を送れるよう疾病の予防、緩和、治療を支えると同時に、持続可能な農業と生態系の保護を目指しています。詳細はwww.bayer.jpをご参照ください。
バイエル薬品株式会社について
医療用医薬品、コンシューマーヘルスの各事業を通じて、日本の患者さんのための治療に変革をもたらす持続可能な取り組みを推進しています。医療用医薬品部門では、循環器・腎臓領域、オンコロジー領域、眼科領域、婦人科領域、血液領域、画像診断領域に、コンシューマーヘルス部門では、赤ちゃんの「人生最初の1000日」に適切な栄養を届けるため、女性の妊娠準備と妊娠期間を支援するサプリメントなどに注力しています。詳細はwww.pharma.bayer.jp, Facebook,YouTubeをご参照ください。
バイエル薬品株式会社
2023年7月10日、大阪
将来予想に関する記述(Forward-Looking Statements)
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