本資料は8月10日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.press.bayer.comをご参照ください。
アフリベルセプト8mg、滲出型加齢黄斑変性において2年目に70%以上の患者で投与間隔が16~24週まで延長され、持続的な視力改善が得られた
- PULSAR試験の結果から、アフリベルセプト8mgの投与間隔を最長24週まで延長した場合の2年間の長期的な有効性およびアイリーア®(アフリベルセプト2mg)の固定された8週ごとの投与と同様の視力改善が示された
- ベースライン時にアフリベルセプト8mgを16週ごとに投与する群に無作為割付された患者の2年間の平均投与回数は、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)より4.6回少ない8.2回であった
- 新生血管(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)患者におけるアフリベルセプト8mgの安全性プロファイルは、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)と同様であり、新たな安全性シグナルは認められなかった
ベルリン、2023年8月10日 ― ドイツ・バイエル社は、新生血管(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)患者を対象としたピボタル試験であるPULSAR試験の2年(96週)目のトップライン結果を発表しました。本データは、アフリベルセプト8mg の投与間隔をこれまでにない最長24週まで延長した治療において、現在の標準治療である アイリーア®(アフリベルセプト2mg)の固定された8週ごとの投与と同様の有効性と安全性、そして持続的な視力改善を示すものです。
2年(96週)目において、アフリベルセプト8mg投与群の患者の71%が16週以上の、47%が20週以上の投与間隔を達成し、28%が24週の投与間隔でした。2年目の終了時点で12週以上の投与間隔に到達した患者の割合は依然として高く、1年目が83%であったのに対して2年目は88%でした。
イタリア、ウディネ大学眼科学教授・チェアマンであり、PULSARの治験責任医師であるパオロ・ランツェッタ氏は、次のように述べています。「これらの持続性のある結果は目覚ましく、2年を通じてアフリベルセプト8mgの持続可能な治療効果を示しています。重要なことは、アフリベルセプト8mgによって投与間隔を延長した患者の視力転帰が、対照群であるアイリーア®(アフリベルセプト2mg)と一致していたことです」
ドイツ・バイエル社の医療用医薬品部門の経営委員会メンバーで、研究開発責任者のクリスチャン・ロンメルは次のように述べています。「PULSAR試験の2年目の結果は、将来的に新生血管(滲出型)加齢黄斑変性の大部分の患者さんの治療負担を軽減する可能性をもたらすものであり、大変嬉しく思います。本データは、アフリベルセプト8mgがアイリーア®(アフリベルセプト2mg)の8週ごとの投与に比べ、より効果的かつ長期にわたって疾患のコントロールを維持できることを示しています。規制当局からの承認が得られれば、治療アドヒアランスの向上、ひいては患者の転帰改善に貢献することが期待されます」
ベースライン時に16週ごとに投与する群に無作為割付された患者のうち、2年間を通じて到達した投与間隔は、78%が16週以上であり、53%が20週以上でした。アフリベルセプト8mgの投与回数は、16週ごとの投与群では平均8.2回であり、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)の固定された8週ごとの投与群の平均12.8回と比べて2年間で4.6回大幅に減少しました。
PULSAR試験において、アフリベルセプト8mgの安全性は、2年間を通じてアイリーア®(アフリベルセプト2mg)と同様であり、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)の既知の安全性プロファイルと一貫していました。アフリベルセプト8mg投与群では、網膜血管炎、閉塞性網膜炎、眼内炎の報告はありませんでした。眼内炎症反応の発現割合はアフリベルセプト8mg群で1.3%であり、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)群では2.1%でした。眼圧上昇の発現割合においても2年間を通じてアイリーア®(アフリベルセプト2mg)群と差はありませんでした。
アフリベルセプト8mgを評価するPULSAR試験とPHOTON試験の2年目のデータは、2023年に開催の学術集会で発表される予定です。
バイエルとリジェネロン社は、アフリベルセプト8mgの共同開発を行っています。リジェネロン社はアイリーア®(アフリベルセプト2mg)とアフリベルセプト8mgの米国内での独占販売権を保有しています。バイエルは米国以外での独占販売権を有し、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)の利益は両社で均等分配されます。バイエルはアフリベルセプト8mgについて、ヨーロッパおよびその他の地域で承認申請中です。現在までにアフリベルセプト8mgはいずれの国においても承認を取得していません。
【PULSAR試験およびPHOTON試験について】
PULSAR試験およびPHOTON試験は、二重遮蔽実薬対照試験です。両試験とも、世界各地の複数の医療機関で同様の試験デザインおよび評価項目で実施されました。nAMDを対象とした第III相試験(PULSAR試験)およびDMEを対象とした第II/III相試験(PHOTON試験)では、1か月ごとの複数回投与後に、アフリベルセプト8mgの12週および16週ごとの投与の有効性および安全性を、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)の8週ごとの投与と、48週目における主要評価項目である最高矯正視力に関する非劣性で評価しました。2年(96週)目の結果が得られた段階で本試験の遮蔽期間は終了します。それ以降は、投与間隔を最長24週まで延長することができ、156週目まで非遮蔽下で治療を1年間継続することができます。両試験においてベースライン時に、患者は3つの異なる投与群に無作為に割付されました。両試験でアフリベルセプト8mgが1,164例の患者に投与されました。アフリベルセプト8mg投与群のすべての患者は、16週目から試験期間を通して、臨床的な観点から患者の状態に応じた用法変更(DRM)基準を厳格に順守し、継続的に評価されました。アフリベルセプト8mg投与群の患者は、1年目に疾患の増悪に関連したDRM基準を満たした場合、投与間隔を8週に短縮することが可能でした。投与間隔の延長は、1年目を超えるまで行うことができませんでした。1年目を超えてからは、アフリベルセプト8mg投与群の患者がDRM基準を満たした場合、投与間隔の短縮または延長が可能でした。両試験ともに試験期間中、すべてのアイリーア®(アフリベルセプト2mg)投与群の患者は、固定された8週ごとの投与間隔を維持しました。PULSAR試験およびPHOTON試験の主な治験依頼者は、それぞれバイエルならびにリジェネロン社でした。
【新生血管(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)について】
新生血管(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)は急速に進行する眼の疾患であり、治療を行わずに放置すると、わずか3カ月で視力の喪失に至る可能性があります。nAMDは世界中で、回復不可能な失明や視力障害の主な原因の1つとなっています。nAMDは加齢の影響を受ける可能性があります。異常な血管が新生し、中心視力を調節し鮮明な視力を維持するのに深く関わる黄斑下に滲出液が漏出することで起きます。この滲出液は黄斑に傷をつけ損傷させることで、視力低下を引き起こします。世界で1億9600万人が加齢黄斑変性(AMD)を発症しており、2040年までには2億8800万人に増加すると予測されています。AMD患者の約10~15%が進行型であるnAMDを発症しています。
バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。その製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、技術革新と成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。グループ全体の売上高は507億ユーロ、従業員数は約101,000名(2022年)。特別項目計上前の研究開発費は62億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。
バイエルのビジョンについて
世界中のバイエル社員は、「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」というビジョンの実現に向け、革新的な製品とサービスを通じて、医療と食糧へのアクセス向上に貢献しています。私たちは、飢餓をなくし、すべての人々が健康的な生活を送れるよう疾病の予防、緩和、治療を支えると同時に、持続可能な農業と生態系の保護を目指しています。詳細はwww.bayer.jpをご参照ください。
バイエル薬品株式会社について
医療用医薬品、コンシューマーヘルスの各事業を通じて、日本の患者さんのための治療に変革をもたらす持続可能な取り組みを推進しています。医療用医薬品部門では、循環器・腎臓領域、オンコロジー領域、眼科領域、婦人科領域、血液領域、画像診断領域に、コンシューマーヘルス部門では、赤ちゃんの「人生最初の1000日」に適切な栄養を届けるため、女性の妊娠準備と妊娠期間を支援するサプリメントなどに注力しています。詳細はwww.pharma.bayer.jp, Facebook,YouTubeをご参照ください。
バイエル薬品株式会社
2023年8月22日、大阪
将来予想に関する記述(Forward-Looking Statements)
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