本資料は1月8日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.bayer.com/media/en-us/をご参照ください。

アフリベルセプト8mgが欧州において製造販売承認を取得

  • 新規治療薬のアフリベルセプト8mgが、新生血管(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)および糖尿病黄斑浮腫(DME)の治療薬として欧州委員会より欧州連合(EU)における製造販売承認を取得
  • アフリベルセプト8mgは、投与間隔を最長5か月まで延長可能な初めてのnAMDおよびDMEの治療薬
  • アフリベルセプト8mgは、投与の頻度を低減しながら標準治療であるアイリーア® (アフリベルセプト2mg)と同様の有効性および安全性を示した

ベルリン、2024年1月8日 ― 欧州委員会は、新生血管(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)および糖尿病黄斑浮腫(DME)という2つの主要な網膜疾患を対象に、アフリベルセプト8mg(EyleaTM 8mg, 114.3 mg/ml solution for injection)を新たな治療薬として欧州連合(EU)での製造販売を承認したことを発表しました。

アフリベルセプト8mgは、3回の月1回投与後、4か月まで投与間隔を延長する治療薬として承認されました。安定した視力が得られた患者においては、最長5か月まで投与間隔の延長が考慮されます。アフリベルセプト8mgは、EUにおいてnAMDおよびDME患者を対象に投与間隔を最長5か月まで延長した初めての治療薬となります。

フランスUniversity Hospital of Bordeauxの眼科長および眼科教授であり、治験責任医師であるジャンフランソア・コロベルニク氏は、次のように述べています。「効果的かつより持続的に疾患をコントロールすることができるアフリベルセプト8mgは、網膜疾患治療における重要な前進です。3回の月1回投与後から、医師の判断により投与間隔を4か月まで延長することが可能になります。これにより、患者さんの硝子体内投与や受診の頻度を低減するだけでなく、欧州の臨床現場で生じている医療逼迫を軽減することができます」

ドイツ・バイエル社の医療用医薬品部門のチーフ・メディカル・オフィサーであるマイケル・デヴォイは、次のように述べています。「アフリベルセプト8mgの欧州での承認は、網膜疾患の患者負担を軽減するという高いアンメット・ニーズに対応する上で重要なマイルストーンになります。標準治療であるアイリーア® (アフリベルセプト2mg)の知見をベースに、患者さんは注射の頻度を低減しながらアイリーア® (アフリベルセプト2mg)と同様の有効性と安全性を有するアフリベルセプト8mgによる治療の機会を得ることが可能になります」

EUにおける承認は、nAMDを対象としたPULSAR試験およびDMEを対象としたPHOTON試験の良好な結果に基づいています。両試験で、投与間隔が8週間に固定されたアイリーア®(アフリベルセプト2mg)に対し、12週または16週ごと投与のアフリベルセプト8mgの、48週目における最高矯正視力(BCVA)の変化量における非劣性が示され、主要評価項目を達成しました。これらの試験で、アフリベルセプト8mgの安全性プロファイルは、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)の確立された安全性プロファイルと一貫していました。

アフリベルセプト8mgは、2023年8月に製品名「Elyea HD」として米国食品医薬品局(FDA)により承認されています。バイエルは、その他の主要市場においてもアフリベルセプト8mgの製造販売承認を申請しています。バイエルとリジェネロン社は、アフリベルセプト8mgの共同開発を行っています。リジェネロン社はアイリーア®(アフリベルセプト2mg)とアフリベルセプト8mgの米国内での独占販売権を保有しています。バイエルは米国以外での独占販売権を有し、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)及びアフリベルセプト8mgの利益は両社で均等分配されます。
 

【PULSAR試験およびPHOTON試験について】
PULSAR試験およびPHOTON試験は、無作為化二重遮蔽実薬対照試験です。両試験は、同様の試験デザインおよび評価項目で世界各地の複数の医療機関で実施されました。nAMDを対象とした第III相試験(PULSAR試験)およびDMEを対象とした第II/III相試験(PHOTON試験)では、1か月ごとの複数回投与後に、アフリベルセプト8mgの12週および16週ごとの投与の有効性および安全性を、アイリーア®(アフリベルセプト2mg)の8週ごとの投与と比較検討しました。また、主要評価項目である48週目における最高矯正視力に関する非劣性を評価しました。2年目の結果は、投与間隔を最長24週まで延長可能な遮蔽期間終了時(96週目)のものであり、それ以降は、156週目まで非遮蔽下で治療を1年間継続することができます。両試験においてベースライン時に、患者は3つの異なる投与群に無作為に割付されました。両試験でアフリベルセプト8mgが1,164例の患者に投与されました。アフリベルセプト8mg投与群のすべての患者は、16週目から試験期間を通して、臨床的な観点から患者の状態に応じた用法変更(DRM)基準を厳格に順守し、継続的に評価されました。アフリベルセプト8mg投与群の患者は、1年目に疾患の増悪に関連したDRM基準を満たした場合、投与間隔を最短8週に短縮することが可能でした。投与間隔の延長は、1年目を超えるまで行うことができませんでした。1年目を超えてからは、アフリベルセプト8mg投与群の患者がDRM基準を満たした場合、投与間隔の短縮または延長が可能でした。両試験ともに試験期間中、すべてのアイリーア®(アフリベルセプト2mg)投与群の患者は、固定された8週ごとの投与間隔を維持しました。PULSAR試験およびPHOTON試験の主な治験依頼者は、それぞれバイエルならびにリジェネロン社でした。
 

【新生血管(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)および糖尿病黄斑浮腫(DME)について】
新生血管(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)は急速に進行する眼の疾患であり、治療を行わずに放置すると、数か月で視力の喪失に至る可能性があります。nAMDは世界中で、回復不可能な失明や視力障害の主な原因の1つとなっています。nAMDは加齢の影響を受ける可能性があります。異常な血管が新生し、中心視力を調節し鮮明な視力を維持するのに深く関わる黄斑下に滲出液が漏出することで起きます。この滲出液は黄斑に傷をつけ損傷させることで、視力低下を引き起こします。世界で1億9,600万人が加齢黄斑変性(AMD)を発症しており、2040年までには2億8,800万人に増加すると予測されています。AMD患者の約10~15%が進行型であるnAMDを発症しています。

DMEは、糖尿病患者によく見られる眼の合併症です。高血糖が眼内の血管を傷つけ、滲出液が黄斑内に漏出することで発症します。視力低下を引き起こし、場合によっては失明に至ります。世界で1億4,600万人が糖尿病網膜症を発症しており、より深刻な疾患であるDMEを引き起こす可能性があります。DMEの患者数は、世界で約2,100万人と推計されています。
 

バイエルについて

バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。その製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、技術革新と成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。グループ全体の売上高は507億ユーロ、従業員数は約101,000名(2022年)。特別項目計上前の研究開発費は62億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。

 

バイエルのミッションについて

世界中のバイエル社員は、「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」というミッションの実現に向け、革新的な製品とサービスを通じて、医療と食糧へのアクセス向上に貢献しています。私たちは、飢餓をなくし、すべての人々が健康的な生活を送れるよう疾病の予防、緩和、治療を支えると同時に、持続可能な農業と生態系の保護を目指しています。詳細はwww.bayer.jpをご参照ください。

 

バイエル薬品株式会社
2024年1月15日、大阪

将来予想に関する記述(Forward-Looking Statements)

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