眼科用VEGF阻害剤「アイリーア®8mg硝子体内注射液114.3mg/mL」 日本における製造販売承認を取得

大阪、2024年1月18日-バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、以下バイエル薬品)と参天製薬株式会社(本社:大阪市、以下Santen)は、バイエル薬品が申請していた眼科用VEGF阻害剤「アイリーア®8mg硝子体内注射液114.3mg/mL(アフリベルセプト[遺伝子組換え]硝子体内注射液、以下、アイリーア®8mg)について、中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性(nAMD)および糖尿病黄斑浮腫(DME)の適応に対する製造販売承認を厚生労働省より取得しましたことをお知らせします。

本承認は、nAMDを対象としたPULSAR試験およびDMEを対象としたPHOTON試験の結果に基づいています。これらの臨床試験において、初期の4週ごと投与(導入期)の後、維持期に12週または16週ごと投与したアイリーア®8mg投与群は、維持期の投与間隔が8週間に固定されたアイリーア®(アフリベルセプト2mg)投与群に対し、主要評価項目である48週目の最高矯正視力(BCVA)文字数の変化量において非劣性であることが示されました。また、アイリーア®8mgは、nAMDでは77%、DMEでは89%の患者さんが48週時点で16週ごとの投与間隔を維持し、投与間隔が8週間に固定されたアイリーア®(アフリベルセプト2mg)と同様の安全性プロファイルを示しました。これにより、患者さんの治療負担の軽減と、持続可能な疾患コントロールの実現が期待されます。

日本国内でのアイリーア®8mgの販売はSantenが行い、本剤の製造販売承認はバイエル薬品が保有します。本剤の医薬品情報提供活動は両社が共同で実施いたします。

<アイリーア®8mg硝子体内注射液114.3mg/mLの製品概要> 

 

販売名
アイリーア®8mg硝子体内注射液114.3mg/mL


一般名:
アフリベルセプト(遺伝子組換え)


効能・効果:
中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性
糖尿病黄斑浮腫


用法・用量:
アフリベルセプト(遺伝子組換え)として8mg(0.07mL)を4週ごとに1回、通常、連続3回(導入期)硝子体内投与するが、症状により投与回数を適宜減じる。その後の維持期においては、通常、16週ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、8週以上あけること。


製造販売承認日:
2024年1月18日


製造販売元:
バイエル薬品株式会社


発売元:
参天製薬株式会社

【PULSAR試験およびPHOTON試験について】
PULSAR試験およびPHOTON試験は、無作為化二重遮蔽実薬対照試験です。両試験は、同様の試験デザインおよび評価項目で世界各国の複数の医療機関で実施されました。nAMDを対象とした第III相試験(PULSAR試験)およびDMEを対象とした第II/III相試験(PHOTON試験)では、初期の4週ごと投与(導入期)の後、維持期にアフリベルセプト8mgの12週および16週ごとの投与の有効性および安全性を、維持期の投与間隔が8週間に固定されたアイリーア®(アフリベルセプト2mg)と比較検討し、主要評価項目である48週目における最高矯正視力に関する非劣性を評価しました。両試験においてベースライン時に、患者は3つの異なる投与群に無作為に割付されました。両試験でアフリベルセプト8mgが1,164例の患者に投与されました。アフリベルセプト8mg投与群のすべての患者は、16週目から試験期間を通して、臨床的な観点から患者の状態に応じた用法変更(DRM)基準を厳格に順守し、継続的に評価されました。アフリベルセプト8mg投与群の患者は、1年目に疾患の増悪に関連したDRM基準を満たした場合、投与間隔を最短8週に短縮することが可能でした。投与間隔の延長は、1年目を超えるまで行うことができませんでした。1年目を超えてからは、アフリベルセプト8mg投与群の患者がDRM基準を満たした場合、投与間隔の短縮または延長が可能でした。両試験ともに試験期間中、すべてのアイリーア®(アフリベルセプト2mg)投与群の患者は、固定された8週ごとの投与間隔を維持しました。2年目の結果は、投与間隔を最長24週まで延長可能な遮蔽期間終了時(96週目)のものであり、それ以降は、156週目まで非遮蔽下で治療を1年間継続することができます。
 

【nAMDおよびDMEについて】
新生血管(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)は急速に進行する眼の疾患であり、治療を行わずに放置すると、数か月で視力の喪失に至る可能性があります。nAMDは世界中で、回復不可能な失明や視力障害の主な原因の1つとなっています。nAMDは加齢の影響を受ける可能性があります。異常な血管が新生し、中心視力を調節し鮮明な視力を維持するのに深く関わる黄斑下に滲出液が漏出することで起きます。この滲出液は黄斑に傷をつけ損傷させることで、視力低下を引き起こします。世界で1億9,600万人が加齢黄斑変性(AMD)を発症しており、2040年までには2億8,800万人に増加すると予測されています。AMD患者の約10~15%が進行型であるnAMDを発症しています。

DMEは、糖尿病患者によく見られる眼の合併症です。高血糖が眼内の血管を傷つけ、滲出液が黄斑内に漏出することで発症します。視力低下を引き起こし、場合によっては失明に至ります。世界で1億4,600万人が糖尿病網膜症を発症しており、より深刻な疾患であるDMEを引き起こす可能性があります。DMEの患者数は、世界で約2,100万人と推計されています。
 

バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。その製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、技術革新と成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。グループ全体の売上高は507億ユーロ、従業員数は約101,000名(2022年)。特別項目計上前の研究開発費は62億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。

バイエル薬品株式会社について
医療用医薬品、コンシューマーヘルスの各事業を通じて、日本の患者さんのための治療に変革をもたらす持続可能な取り組みを推進しています。医療用医薬品部門では、循環器・腎臓領域、オンコロジー領域、眼科領域、婦人科領域、血液領域、画像診断領域に、コンシューマーヘルス部門では、赤ちゃんの「人生最初の1000日」に適切な栄養を届けるため、女性の妊娠準備と妊娠期間を支援するサプリメントなどに注力しています。詳細はwww.pharma.bayer.jp, Facebook,YouTubeをご参照ください。

参天製薬株式会社について
Santenは、眼科に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、医療用・一般用の医薬品や、医療機器の研究、開発、販売・ マーケティング活動を行っており、世界約60を超える国・地域で製品を販売しています。
Santenが目指す理想の世界、「WORLD VISION」(Happiness with Vision)の実現に向け、世界中の技術や組織・人材をつなぎ、「見る」を通じて人々の幸せを実現するSocial Innovatorとして、眼の疾患や不具合に起因する世界中の人々の社会的・経済的な機会損失を削減することを目指します。
130年の歴史の中で培われた科学的知見や企業力を活かし、製薬企業としての枠を越え、患者さん起点で眼科医療ソリューションの開発と提供に取り組み、価値ある製品・サービスの提供を通じ、患者さんや患者さんを愛する人たちを中心に社会への貢献を果たしていきます。
詳細については、当社ホームページhttps://www.santen.com/ja/をご参照ください。

バイエル薬品株式会社、参天製薬株式会社
2024年1月18日、大阪
 

将来予想に関する記述(Forward-Looking Statements)

このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。