本資料は1月23日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.bayer.com/mediaをご参照ください。

BlueRock Therapeutics社、原発性光受容体疾患を対象とするiPS細胞治療の候補OpCT-001について、FUJIFILM Cellular Dynamics社およびOpsis Therapeutics社と開発・商業化に関するライセンス契約を締結することに合意

  • OpCT-001は、2021年に開始したBlueRock社、FUJIFILM Cellular Dynamics社、Opsis Therapeutics社の戦略的な研究開発協力体制により開発されたiPS細胞治療の候補のうち、初めてライセンス契約が締結される治療候補
  • 原発性光受容体疾患は、網膜の光受容細胞の構造および機能に影響を及ぼし、小児患者および成人患者において不可逆的な視力低下につながる
  • 2024年にOpCT-001の新薬臨床試験開始申請(IND)を行う予定

ベルリン、2024年1月23日 ― ドイツ・バイエル社は、臨床開発段階のバイオ医薬品を扱うバイエルの完全子会社BlueRock Therapeutics社(以下BlueRock社)が、FUJIFILM Cellular Dynamics社およびOpsis Therapeutics社に対してOpCT-001の独占的ライセンス契約に関するオプション権を行使したことを発表しました。OpCT-001は、開発段階にあるiPS細胞(人工多能性幹細胞)由来の細胞治療の候補であり、原発性光受容体疾患(Primary Photoreceptor Diseases)を対象とします。同剤は、2021年に開始したBlueRock社、FUJIFILM Cellular Dynamics社、Opsis Therapeutics社の戦略的な協力体制を通じて創出された、主力の細胞治療薬候補です。本ライセンス契約の条件に基づき、FUJIFILM Cellular Dynamics社およびOpsis Therapeutics社には、非公開のライセンス料が供与され、特定の開発および商業上のマイルストーン達成時には報酬が支払われる権利を獲得します。

BlueRock社のシニア・バイス・プレジデントおよび研究開発長のアーメッド・エナエタラは、次のように述べています。「細胞療法は、網膜疾患を患っている患者さんの視力を回復させる非常に高い可能性を秘めていると考えています。FUJIFILM Cellular Dynamics社およびOpsis Therapeutics社との協同により、新薬臨床試験開始申請につながる重要な活動を進められるようになります。OpCT-001については、今年中に新薬臨床試験開始申請を行い、臨床現場にお届けできるよう推進することを嬉しく思っております」

原発性光受容体疾患は、遺伝性網膜疾患の一種であり、網膜色素変性および錐体杆体変性が含まれます。これらの疾患は、網膜の光受容細胞の構造および機能に影響を及ぼし、小児患者および成人患者において不可逆的な視力低下につながります。現在、原発性光受容体疾患の患者が使用できる治療選択肢はありません。OpCT-001は、網膜の変性組織を正常な細胞に置き換えることで、これらの疾患に起因する視力低下を回復させることを目指しています。
 

BlueRock Therapeutics社について

BlueRock Therapeutics社は、深刻な疾患を回復に導く細胞治療薬に焦点をあてた、臨床開発段階の細胞治療薬を扱う企業です。同社は細胞療法の可能性を活かし、神経性疾患、心血管疾患、免疫性疾患、および眼疾患領域の新薬パイプラインを構築しています。主力の治療薬候補であるbemdaneprocel(BRT-DA01)は、現在パーキンソン病を対象とした第I相臨床試験段階にあります。BlueRock Therapeutics社 は、Versant Ventures社とパラダイムシフトをもたらす画期的なイノベーションに投資するドイツ・バイエル社のインパクト投資部門であるLeaps by Bayerの合弁会社として設立されました。2019年末、新たに整備された細胞・遺伝子治療プラットフォームを支える基盤として、ドイツ・バイエル社の独立して運営される完全子会社となりました。同社の組織風土は、難題に対しても継続する勇気、医療の変革と希望の提供に対する重視、ミッションに導かれた誠実さ、同社が広い社会の一員であることを踏まえた地域意識を特徴としています。詳細はwww.bluerocktx.comをご参照ください。

 

バイエルについて

バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。その製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、技術革新と成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。グループ全体の売上高は507億ユーロ、従業員数は約101,000名(2022年)。特別項目計上前の研究開発費は62億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。

 

バイエルのビジョンについて

世界中のバイエル社員は、「Health for all, hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」というビジョンの実現に向け、革新的な製品とサービスを通じて、医療と食糧へのアクセス向上に貢献しています。私たちは、飢餓をなくし、すべての人々が健康的な生活を送れるよう疾病の予防、緩和、治療を支えると同時に、持続可能な農業と生態系の保護を目指しています。詳細はwww.bayer.jpをご参照ください。

 

バイエル薬品株式会社について

医療用医薬品、コンシューマーヘルスの各事業を通じて、日本の患者さんのための治療に変革をもたらす持続可能な取り組みを推進しています。医療用医薬品部門では、循環器・腎臓領域、オンコロジー領域、眼科領域、婦人科領域、血液領域、画像診断領域に、コンシューマーヘルス部門では、赤ちゃんの「人生最初の1000日」に適切な栄養を届けるため、女性の妊娠準備と妊娠期間を支援するサプリメントなどに注力しています。詳細はwww.pharma.bayer.jp, Facebook,YouTubeをご参照ください。

バイエル薬品株式会社
2024年2月1日、大阪

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)

このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。