- 「アイリーア®」、「ニュベクオ®」などの成長製品が業績をけん引
- イノベーション:アンメットニーズの高い疾患領域(心血管疾患、がん、免疫疾患、神経・希少疾患)において、患者さんを大きくサポートする可能性のある開発品に注力
- 「Co.Lab Kobe」を開設し、ベンチャー企業にテーラーメードな支援を実施し、イノベーションエコシステムの醸成に貢献
バイエル薬品、新たなブレークスルーをもたらすイノベーションを前進
大阪、2024年4月23日 ― バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:イン・チェン、以下「バイエル薬品」)は、2023年に達成したマイルストーンとともに革新的新薬の動向についてお知らせします。
■2023年にアンメットニーズの高いオンコロジー領域や循環器・腎・代謝領域において適応追加承認を取得
バイエル薬品は、オンコロジー領域ならびに循環器・腎・代謝領域において、重要な新しい適応に関する薬事承認を取得しました。2023年2月に前立腺がん治療剤「ニュベクオ®」において、遠隔転移を有する前立腺がんに対する適応追加承認を取得し、さらに幅広い前立腺がん患者さんの生活の質の維持に寄与しています。11月には、経口抗凝固薬「イグザレルト®」において、小児適応では2つ目となる先天性心疾患によりフォンタン手術を受けた小児患者さんに対する適応追加承認を取得し、5つの適応と4つの剤形を持つ唯一の直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)として、小児から高齢者まで幅広い年代の患者さんのニーズに応えています1。さらに眼科領域では、3月に眼科用VEGF阻害剤「アイリーア®8mg」について、中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性(nAMD)および糖尿病黄斑浮腫(DME)の適応に対する承認申請を行い、2024年1月に製造販売承認を取得しました2。既承認のアイリーア®[濃度40mg/mL(用量2mg)]に比べ、有効性と安全性を損なうことなく、持続可能な疾患コントロールを実現することで、投与間隔を延長するとともに患者さんの負担を軽減することが期待されています。
1 経口抗凝固薬「イグザレルト®」の5つの適応:(成人)非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制、下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患患者における血栓・塞栓形成の抑制、(小児)静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制、Fontan手術施行後における血栓・塞栓形成の抑制
2 「アイリーア®8mg」は、既承認のアイリーア® 硝子体内注射液40mg/mL[濃度40mg/mL(用量2mg)、投与容量0.05mL]*と比べ、より高濃度[濃度114.3mg/mL(用量8mg)、投与容量0.07mL]で硝子体内投与を行う製剤です。
*未熟児網膜症以外の効能又は効果における濃度(用量)および投与容量[未熟児網膜症:濃度40mg/mL(0.4mg)、投与容量0.01mL]
■「アイリーア®」、「ニュベクオ®」が業績をけん引
2023年におけるバイエル薬品の医療用医薬品の売上高は、前年比2.1%減*の2,893億円*(以下、薬価ベース:IQVIAデータ)となりました。薬価改定や後発医薬品の浸透などのさまざまな複合的要因による影響を受けながらも堅実な業績を収め、国内の医療用医薬品市場における売上高順位は9位**となっています。
主要製品の中でも眼科用VEGF阻害剤「アイリーア®」や「ニュベクオ®」、高脂血症治療剤「ロスーゼット®」などの製品が継続的に成長するとともに、「イグザレルト®」、月経困難症治療剤「ヤーズフレックス®」が堅持し、売上高はそれぞれ888億円(同1.6%増)*、98億900万円(同67.3%増)*、71億4,000万円(同4.1%増)*、774億4,400万円(同3.6%減)*、160億8,000万円(同3.0%減)*を計上しました。また2023年薬価改定で非イオン性尿路・血管造影剤 「イオパミロン®」「イオプロミド(BYL)」が不採算品再算定の対象品目となったほか、慢性心不全治療剤「ベリキューボ®」、非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬「ケレンディア®」など複数の製品が売り上げに寄与しました。
■アンメットニーズの高い疾患領域(心血管疾患、がん、免疫疾患、神経・希少疾患)に注力
ドイツ・バイエル社は、患者さんや社会へ価値あるインパクトをもたらすアンメットニーズの高い疾患領域(心血管疾患、がん、免疫疾患、神経・希少疾患)において、パイプラインを強化するイノベーションに投資を続けており、重要な前進を遂げています。2024年末までに4つのアセットが第Ⅱ相臨床試験に移行する予定であり、いずれも患者さんを大きくサポートする可能性があります。また細胞治療と遺伝子治療の7つのプログラムを臨床試験まで進めており、パーキンソン病とうっ血性心不全のプログラムが最も進展しています。また画像診断領域では、Google Cloudとの協業により、生成AI(ジェネレーティブAI)ツールを含むGoogle Cloudの技術を活用し、放射線診断に焦点を当てたAIを活用したヘルスケア・アプリケーションの開発を加速させます。これにより、放射線科医のより正確かつ効率的な診断をサポートし、患者さんの予後改善に貢献します。
バイエル薬品は、2024年に日本国内で23件の第II相および第III相臨床試験が実施中もしくは開始を予定しています。循環器・腎・代謝領域では、抗血栓療法の新たなアプローチとなり得る経口第Ⅺa因子阻害薬アスンデキシアンの第III相臨床試験や、「ケレンディア®」についてより幅広い患者さんへの貢献を目指し、心不全および非糖尿病性慢性腎臓病をそれぞれ対象とする適応追加のための第III相臨床試験を進めています。画像診断領域では、高い緩和能によりガドリニウム用量を低減することが期待される環状型ガドリニウム造影剤であるgadoquatraneの第III相臨床試験を進めており、医療の現場と患者さんの生活に変革をもたらすことを目指しています。
さらにバイエルは、新たなイノベーションを生み出すための独自のインキュベーションラボとして「Co.Lab」をグローバル展開し、外部のアセットや技術との協働を促進しています。日本においては2023年に「Co.Lab Kobe」を開設し、バイエルのグローバルネットワークを活用し、利用するベンチャー企業に対するメンタリングなどテーラーメードな支援を行っています。これらの活動を通じて、イノベーションエコシステムの醸成に貢献しています。
■サステナビリティ:環境負荷削減やヘルスケアアクセス向上に向けた活動を推進
サステナビリティは、バイエルのビジネス戦略の重要な要素となっています。バイエルグループ全体で2030年までに達成を目指す明確な目標を設定しており、2023年もサステナビリティ戦略を実現しました。日本の生産拠点において、温室効果ガス排出削減の取り組みなどを進めています。またヘルスケアアクセス向上に向けた活動を、多様なステークホルダーと協働しながら推進しています。循環器・腎・代謝領域では、医学専門家とともに慢性腎臓病患者さんの貧血管理に関する研究を行い、適切な治療が受けられる環境作りに寄与しています。日本腎臓病協会との腎臓病対策の普及啓発に関する連携協定では、早期診断に向けた共同研究を実施し、早期発見・治療につながるよう努めています。またオンコロジー領域では、がん患者さん一人一人に合わせた治療を目指す、がんゲノム医療の推進に取り組んでいます。
バイエルグループのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」の実現に向け、現在も治療が困難な疾患領域でパラダイムシフトを生み出すための取り組みを推進しています。革新的な医薬品とともに医療の現場と患者さんの生活に変革をもたらすことを目指しています。
* Source: Copyright © 2024 IQVIA. Calculated based on JPM Dec 2023 MAT/Reprinted with permission
** Source: Copyright © 2024 IQVIA. IQVIA Topline JPM data in 2023/Reprinted with permission
本資料に記載している主要製品の売上高は、100万円未満を四捨五入して表示しています
バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。グループ全体の売上高は476億ユーロ、従業員数は約100,000名(2023年)。特別項目計上前の研究開発費は58億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。
バイエル薬品株式会社について
医療用医薬品、コンシューマーヘルスの各事業を通じて、日本の患者さんのための治療に変革をもたらす持続可能な取り組みを推進しています。医療用医薬品部門では、循環器・腎・代謝領域、オンコロジー領域、眼科領域、婦人科領域、血液領域、画像診断領域に、コンシューマーヘルス部門では、赤ちゃんの「人生最初の1000日」に適切な栄養を届けるため、女性の妊娠準備と妊娠期間を支援するサプリメントなどに注力しています。詳細はwww.pharma.bayer.jp, Facebook,YouTubeをご参照ください。
バイエル薬品株式会社
2024年4月23日、大阪
将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。