本資料は8月22日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.bayer.com/media/en-us/をご参照ください。
ドイツ・バイエル社、慢性腎臓病患者を対象とした可溶性グアニル酸シクラーゼ活性化薬(BAY3283142)の第Ⅱ相臨床試験を開始
- 可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)活性化薬は心血管疾患治療の可能性があり、慢性腎臓病(CKD)患者を対象に検討中
- CKDは世界人口の10%以上、約8億5,000万人が罹患する進行性疾患
- 第Ⅱ相臨床試験はCKD患者のアンメットメディカルニーズに応えることを目的としており、革新的なsGC調節作用により関連する心血管疾患の予後を改善する可能性
ドイツ・ベルリン、2024年8月22日 ― ドイツ・バイエル社は、CKD患者を対象としたsGC活性化薬BAY3283142の第Ⅱ相臨床試験ALPINE-1の開始を本日発表しました。本試験の結果は、心血管疾患に対する有望な治療選択肢として、sGC活性化薬のエビデンスとなる可能性があります。
CKDは進行性の疾患で、患者数は世界人口の10%以上にあたる約8億5,000万人です。CKDは一般的な疾患ですが、死に至る可能性があることは広く認知されていません。CKDは静かに、予測不可能に進行し、多くの症状は疾患がかなり進行するまで現れません。CKDは、糖尿病に起因する最も多い合併症の一つであり、心血管疾患の独立した危険因子でもあります。
ドイツ・バイエル社医療用医薬品部門研究開発責任者のクリスチャン・ロンメルは次のように述べています。「本試験は、CKDの患者さんの高いアンメットメディカルニーズに応え、腎疾患治療のための革新的なアプローチを推進するという当社のコミットメントを大きく前進させます。加えて、当社の開発ポートフォリオ全体がさらに強化されます。CKDおよび関連する心血管疾患の患者さんの予後を改善するために、BAY3283142の開発を進めることに力を注ぎます」
ヴュルツブルク大学病院臨床試験・疫学部門医学部主任教授で、ALPINE-1試験の共同責任者であるクリストフ・ワナー教授は次のように述べています。「人口動態の変化は、私たちが将来的に長生きすることを物語っており、人々は生涯にわたり健康な腎臓で、健康に過ごしたいと望んでいます。CKDは死因のトップ10に入る疾患であり、効果的な治療法の開発が急務となっています。CKDの患者さんにおけるsGC活性化薬の検討は、患者さんの治療における重大なアンメットメディカルニーズを解決する上で有望です」
ファーストインヒューマン試験(初めてヒトに投与する試験)の成功に続く、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同、第Ⅱ相臨床試験ALPINE-1の目的は、CKD患者におけるBAY3283142の有効性と安全性を検討することです。sGC活性化薬BAY3283142は、一酸化窒素(NO)―sGC―環状グアノシン一リン酸(cGMP)経路を調節する画期的なアプローチであり、心血管疾患における幅広い治療の可能性があります。
循環器疾患および腎疾患におけるバイエルのコミットメントについて
バイエルは、循環器疾患領域における革新的リーダーとして、革新的治療のポートフォリオを充実させることで、「Science for a better life」をお届けできるよう長年にわたり取り組んでいます。心臓と腎臓は健康や疾患において密接に関わっており、バイエルはアンメットメディカルニーズが高い循環器疾患と腎疾患に対する新しい治療アプローチについて、幅広い領域で取り組んでいます。バイエルの循環器フランチャイズには多くの製品があり、前臨床および臨床開発のさまざまな段階にあるその他いくつかの化合物があります。これらの製品・化合物は、循環器疾患の治療法に影響を与える可能性のある標的やシグナル伝達経路を優先的に開発するバイエルのアプローチを反映しています。
バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。2023年のグループ全体の売上高は476億ユーロ、従業員数は約100,000名、特別項目計上前の研究開発費は58億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。
バイエル薬品株式会社
2024年8月30日、大阪
将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。