本資料は8月29日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.bayer.com/media/en-us/をご参照ください。

ドイツ・バイエル社、非小細胞肺がん(NSCLC)を対象とした第Ⅲ相臨床試験を開始

  • HER2活性化変異を有する未治療の進行NSCLC患者を対象とした治験薬BAY 2927088の第Ⅲ相臨床試験SOHO-02に最初の被験者を登録
  • 第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験SOHO-01のデータが世界肺癌学会(WCLC)のプレジデンシャルシンポジウムに選定

ドイツ・ベルリン、2024年8月29日 ― ドイツ・バイエル社は、HER2活性化変異を有する進行NSCLC患者に対する一次治療として、治験薬BAY 2927088の有効性と安全性を評価する非盲検、無作為化、多施設共同、第Ⅲ相臨床試験SOHO-02に、最初の患者が登録されたことを本日発表しました。

 

治験薬BAY 2927088はSOHO-02試験の他に、HER2(ERBB2)活性化変異を有する切除不能または転移性のNSCLCで、全身療法の前治療を受けたことのある成人患者を対象に、二次治療としての可能性も検討されています。第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験SOHO-01の最新結果は、米国サンディエゴで開催されるWCLCのプレジデンシャルシンポジウムで、2024年9月9日(月)に発表される予定です。

 

ドイツ・バイエル社医療用医薬品部門研究開発責任者のクリスチャン・ロンメルは次のように述べています。「バイエルのプレシジョンメディシン(精密医療)へのコミットメントは単なる約束ではなく、一般的な肺がんの変異体の一つであるHER2変異型NSCLCと闘う患者さんの重要なアンメットニーズに応えるという使命でもあります。革新的な研究を推進し、この生命にかかわる疾患に罹患している患者さんの生存率を向上させることに力を注いでいます。この努力は、必要としている人々のために、精密で個別化されたヘルスケアソリューションを開拓するという当社のコミットメントを明確に示しています」

 

治験薬BAY 2927088は、米国マサチューセッツ州ケンブリッジにあるマサチューセッツ工科大学、ハーバード大学のブロード研究所とバイエルの戦略的研究提携の成果です。

 

肺がんは、世界中でがん関連死亡の主要因となっています。HER2活性化変異を有するNSCLC患者に対して、承認された分子標的薬を用いる一次治療は現在ありません。

 

BAY 2927088は2024年2月に、米国食品医薬品局(FDA)が二次治療に関して画期的治療薬(Breakthrough Therapy)に指定しました。2024年6月には中国医薬品評価センター(CDE)も、同じ患者集団に対して治験薬BAY 2927088を画期的治療薬に指定しました。

【SOHO-02試験について】

SOHO-02試験は、HER2活性化変異を有する進行NSCLC成人患者に対する一次治療として、治験薬BAY 2927088の有効性と安全性を検討する非盲検、無作為化、多施設、国際共同第Ⅲ相臨床試験です。被験者は、治験薬BAY 2927088または現在の標準治療(シスプラチン/カルボプラチン+ペメトレキセド+ペムブロリズマブ)のいずれかに無作為割り付けされます。本試験の主要評価項目は、盲検下独立中央審査委員会の評価による無増悪生存期間(PFS)です。その他の評価項目には、客観的奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、治験薬BAY 2927088の安全性評価が含まれます。詳細はhttps://clinicaltrials.gov/study/NCT06452277よりご覧になれます。

 

【治験薬BAY 2927088について】

BAY 2927088は治験薬であり、規制当局によって使用が承認された国や適応症はありません。BAY 2927088は現在、HER2活性化変異を有するNSCLC患者を対象に、新たな標的治療の選択肢として評価を進めています。BAY 2927088は経口投与可能な可逆的チロシンキナーゼ阻害剤であり、ヒト上皮細胞増殖因子受容体2(HER2)エクソン20挿入変異やHER2点変異を含む変異型HER2および変異型上皮成長因子受容体(EGFR)を強力に阻害し、野生型EGFRに対して高い選択性を示します。

 

【非小細胞肺がん(NSCLC)について】

NSCLCは肺がんで最も多く、85%以上を占めています。HER2活性化変異は、進行NSCLCの2%~4%に認められます。NSCLCと診断された方の80%はすでに進行した段階に達しており、治療が難しくなっています。

バイエルのオンコロジーについて

バイエルは、革新的治療のポートフォリオを充実させることで、Science for a better lifeをお届けできるよう取り組んでいます。バイエルには、がんと共に生きる人々の生活の改善と生存期間の延長に役立つ新薬を開発する情熱と決意があります。バイエルのオンコロジーフランチャイズには、さまざまな適応症を持つ複数の製品と、臨床開発のさまざまな段階にある複数の化合物があります。当社は、腫瘍細胞の内因性経路、標的核医学治療、次世代腫瘍免疫学などの分野で豊富な専門知識を有しています。当社は、副作用を抑えながら生存期間を延長することを目標に、早期から転移期までの前立腺がん治療を推進しています。バイエルは革新的なプレシジョンオンコロジー治療薬に注力しており、その一環として、腫瘍の増殖と転移を促進する発がん性因子であるNTRK融合遺伝子を有する腫瘍の治療に特化したTRK阻害剤が承認されています。

 

バイエルについて

バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。2023年のグループ全体の売上高は476億ユーロ、従業員数は約100,000名、特別項目計上前の研究開発費は58億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。

バイエル薬品株式会社
2024年9月4日、大阪

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)

このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。