本資料は12月17日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.bayer.com/media/en-us/をご参照ください。

アフリベルセプト8mgが網膜静脈閉塞症患者を対象とした第III相臨床試験で主要評価項目を達成し、延長した投与間隔で視力改善を示した

  • アフリベルセプト8mg投与群の約90%の患者が投与間隔を8週に延長し、36週目まで維持した
  • アフリベルセプト8mgは、網膜中心厚(CST)の変化量において網膜内の浸出液の迅速かつ強力な減少を示した
  • アフリベルセプト8mgの忍容性は良好で、安全性プロファイルはこれまでの臨床試験と一貫していた
  • 詳細な結果は各国の規制当局に提出され、今後の学術会議で発表される予定

ベルリン、2024年12月17日 ― ドイツ・バイエル社は本日、網膜中心静脈閉塞症、網膜静脈分岐閉塞症、半側網膜静脈閉塞症を含む網膜静脈閉塞症(RVO)による黄斑浮腫を対象にしたアフリベルセプト8mgの有効性と安全性を評価する国際共同第III相QUASAR試験の良好なトップライン結果を発表しました。本試験では、36週目の視力改善に関する主要評価項目を達成し、アフリベルセプト8mgを8週間ごとに投与された患者群(初期は月1回投与)は、現在の標準治療であるアイリーア®2mg(アフリベルセプト2mg)を4週間ごとに投与された患者群に対する非劣性を示しました。

 

アフリベルセプト8mgの忍容性は良好で、その安全性プロファイルはこれまでの臨床試験と一貫していました。

 

英国ヨーク・ティーチング病院のクリニカル・ディレクターであるリチャード・ゲイル教授は次のように述べています。「これらの有望なデータは、アフリベルセプト8mgが、VEGF負荷が高いことで知られる網膜静脈閉塞症患者さんを含む滲出型網膜疾患治療の新たな標準治療となる可能性を示しています」

 

バイエルの医薬品部門の経営委員会メンバーであり研究開発責任者のクリスチャン・ロンメルは次のように述べています。「本試験の成功により、アフリベルセプト8mgが持続的な疾患コントロールを提供できることが証明されました。アフリベルセプト8mgは、迅速かつ持続的な浸出液コントロールを実現し、アイリーア®2mgと同様の視力改善と忍容性で、長い投与間隔を可能にします。患者さんにとって同様の有効性と安全性を維持しながら、注射の頻度が減ることを意味しています」

 

QUASAR試験では、アフリベルセプト8mgを投与された患者の大多数(約90%)が、投与間隔を8週に延長し、36週目まで維持しました。また、約70%の患者が32週目の来院時に12週ごとの投与に割り当てられており、頻回な注射に伴う負担がさらに軽減される可能性があります。アフリベルセプト8mgはアイリーア®2mgと同様に、ベースラインから36週目までのCSTの変化量において、網膜内の浸出液の迅速かつ強力な減少を示しました。網膜内の浸出液の減少とCSTの減少は疾患コントロールと関連しています。
36週目までの平均注射回数を比較したところ、アイリーア®2mgの4週間ごとの投与群では8.8回だったのに対し、アフリベルセプト8mgの8週ごとの投与群(初期に月1回投与を3回または5回受けた後)では6.1回または6.9回に減少しました。注射回数が少ないにもかかわらず、アフリベルセプト8mgの8週ごとの投与群では、36週目においてアイリーア®2mgの4週ごとの投与群と同様の有効性と安全性を達成しました。

 

詳細な結果は各国の規制当局に提出され、今後開催される学術会議で発表される予定です。

 

アフリベルセプト8mgは、製品名アイリーア®8mgとして血管新生(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)および糖尿病黄斑浮腫(DME)の適応症において50カ国以上で承認されています。アイリーア®8mgは、DMEおよびnAMDの治療において、EUや英国などの主要市場で最長5カ月の投与間隔で承認された初の抗VEGF治療薬となりました。EUおよびその他の国々では、アイリーア®8mgはバイアルおよび推奨される投与量を正確に設定できるよう簡素化されたプレフィルドシリンジで提供されています。

 

バイエル社とリジェネロン社は、アイリーア®8mg(アフリベルセプト8mg、米国およびカナダではEylea® HD)の国際共同開発を行っています。リジェネロン社は、米国におけるアイリーア®2mg(アフリベルセプト2mg)およびEylea® HDの独占的販売権を保持しています。バイエル社は米国以外での独占的販売権を有し、薬事承認取得後は、両社のアイリーア®2mgおよびアイリーア®8mgの販売による利益は均等分配されます。

【QUASAR試験について】

QUASAR試験は、国際共同、無作為化、二重遮蔽、実薬対照第III相試験です。網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、または半側網膜静脈閉塞症(HRVO)を含む、網膜静脈閉塞症による黄斑浮腫の未治療の患者を対象にアフリベルセプト8mgを投与間隔延長レジメンで投与したときの有効性および安全性を評価しています。本試験の主要評価項目は、36週目におけるEarly Treatment Diabetic Retinopathy Study(ETDRS)視力表で測定した最高矯正視力(BCVA)文字数のベースラインからの変化量です。本試験では、初期に月1回投与を3回または5回受けた後に、アイリーア®8mgを8週ごとに投与した群とアイリーア®2mgを4週ごとに投与した群について、BCVAの変化量を比較します。投与間隔は、臨床的な観点から用法用量変更(DRM)基準のもとで継続的に評価される治療効果に基づいて調整することができます。患者が投与来院時にDRM基準を満たした場合、投与間隔を4週間短縮することが可能でした。投与間隔は、DRM基準に基づき、32週目から(アフリベルセプト2mg群および初期に月1回投与を3回受けたアフリベルセプト8mg群)、もしくは40週目から(初期に月1回投与を5回受けたアフリベルセプト8mg群)延長することができました。投与は60週目まで行い、その後64週目まで観察します。本試験には27カ国から800名以上の患者が登録されています。

【RVOについて】

RVOは慢性疾患で、現在、世界全体で2,800万人の成人が罹患しており、突然の急速な視力喪失に至る可能性があります。RVOには、大別してCRVOとBRVOの2種類があります。CRVOは、視神経の網膜中心静脈に閉塞が起こることで発症します。BRVOは細い網膜静脈分枝が閉塞するもので、CRVOの6倍も多くみられます。RVOは網膜への酸素供給量を低下させ、血管内皮増殖因子(VEGF)および胎盤増殖因子(PlGF)の産生を増加させます。 静脈が閉塞すると、滲出液と血液が網膜に漏出し、その結果、視力に関与している網膜の中心部である黄斑に浮腫が生じます。この浮腫は黄斑浮腫と呼ばれ、VEGFはこの病態の促進に重要な役割を果たしています。

バイエルについて

バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。2023年のグループ全体の売上高は476億ユーロ、従業員数は約100,000名、特別項目計上前の研究開発費は58億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。

バイエル薬品株式会社について

医療用医薬品、コンシューマーヘルスの各事業を通じて、日本の患者さんのための治療に変革をもたらす持続可能な取り組みを推進しています。医療用医薬品部門では、循環器・腎・代謝領域、オンコロジー領域、眼科領域、婦人科領域、血液領域、画像診断領域に、コンシューマーヘルス部門では、赤ちゃんの「人生最初の1000日」に適切な栄養を届けるため、女性の妊娠準備と妊娠期間を支援するサプリメントなどに注力しています。詳細はwww.pharma.bayer.jp, Facebook, YouTubeをご参照ください。

バイエル薬品株式会社
2024年12月20日、大阪

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)

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