医薬情報担当者(MR)としてキャリアをスタートし、営業戦略やマーケティング、患者・医療政策アドボカシーなど多様なキャリアを築いてきた石田隆大さん。現在はPatient Engagement Partnerマネジャーとして、患者さんやそのご家族が最適な治療にアクセスできるよう、正しい情報を得られる機会を創出する活動に取り組んでいます。これらの活動の中で積極的に取り組んでいるシェアードディシジョンメイキング(shared decision making: SDM)についてお伺いしました。

石田 隆大さん

Patient Engagement Partnerマネジャー
石田 隆大さん

―バイエルのミッション実現に向けて、Patient Engagement Partnerが果たす役割や活動内容について聞かせてください。

バイエルは「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」というミッションのもと、ヘルスケアと農業分野における画期的なイノベーションを提供しています。特に、“Health for all”を実現するために、私たちは、継続して誠実に患者さんや患者団体から話を聞き、要望や置かれている医療環境を学び、“ともに課題解決を行う良きパートナー”として、バイエルの活動に反映させることが重要だと考えています。

 

これまで、患者さんや患者団体はもちろん、医療従事者の皆さんとも協業しながら、患者さんがご自身の疾患や治療についての正しい情報を得て、それらを基に医療従事者と相談し、治療方針の決定に役立てていただける支援活動をおこなってきました。
また、患者さんが真に必要としているエビデンスの創出につながるよう、研究・開発から市販後のデータ創出にも、患者さんの声を届け、活かせる機会も積極的につくっています。患者さんとの対話や交流の機会をつくり、患者さんの声を社内外に発信していくことが私の役割になります。

―オンコロジー領域で注力されているシェアード・ディシジョンメイキング(Shared decision making: SDM)の支援とは、どのような活動なのでしょうか?

患者さん向け資材の写真

私が担当しているオンコロジー領域では、新薬を含む抗がん剤が少しでも早く対象患者さんに届き、より適切な治療を受けられるよう、医療従事者への情報提供や情報収集、意見交換を行っています。患者さんがご自身のがんについて正しい情報を得て、それを基に医療従事者と相談し、治療方針の決定に役立てていただける支援活動にも取り組んでいます。
前立腺がんにはさまざまな治療法が存在しますが、患者さんがそれらを理解し、自分にとって最もふさわしい治療法を選ぶことは簡単ではありません。医師は科学的データに基づいた多くの情報を持っていますが、患者さんの歩んできた道のりや家庭・仕事の事情、価値観・人生観を十分に理解することは難しいため、患者さんから主治医へそれらの情報を伝えることが必要だといわれています。
バイエル薬品では、前立腺がん患者さんが一般的な問診票ではカバーしきれない「気になる症状」、「日常生活の変化」、「価値観や生活で大事にしていること、治療に対する要望」を主治医へ効率よく伝えることができるノートを開発し、全国の医療機関へ提供しています。また、SDMを上手に行っている医療機関の具体的な事例を紹介する記事を作成し、情報共有を行うことで、患者さんと医療従事者のコミュニケーションを円滑にする支援をしています。

00:00

―バイエルのPatient Engagement Partnerの活動かける想いや今後の展望について聞かせてください。

石田隆大さんのお写真2

患者さんが正しい知識を持って満足いく治療に臨めるよう、バイエル薬品は今後もさまざまな啓発活動を通じて、患者さんやそのご家族に役立つ情報を提供していきます。医療用医薬品は医師によって処方されるため、社員の所属部門によっては直接患者さんとの関わりを持つ機会が限られますが、現在の私の職務は、患者さんとの交流の機会をつくり、患者さんの声を社内外に発信していくことができるため、とてもやりがいのある仕事だと感じています。

以前、あるプロジェクトを通じて前立腺がん患者さんとお会いする機会がありました。その際、がんの告知から治療方針の決定までの過程における医療スタッフやご家族とのやりとりを伺ったことが、私にとって貴重な経験となりました。患者さんの声は、研究・創薬から治療へのアクセスなどのあらゆる場面でますます重要になってくると感じています。

 

バイエルのPatient Engagement Partnerがリードするこれらの取り組みは、患者中心の医療を実現するための重要な一歩です。患者さんが正しい知識を持って満足のいく治療に臨めるよう、バイエル薬品はこれからもさまざまな啓発活動を通じて、患者さんやそのご家族に役立つ情報を提供していきます。

―参考—前立腺がんの治療におけるSDMの重要性

日本人男性の約9人に1人が生涯の内で罹患すると推定され、日本人男性がかかるがんの第1位である、前立腺がんの治療におけるSDMの重要性について下記ページにご紹介しています。

ヘルシーエイジング | バイエル薬品

*取材した社員の所属・役職の表記は取材当時のものです。

 

PP-PF-ONC-JP-0059-16-12