バイエル薬品と参天製薬、眼科用VEGF阻害剤 「アイリーア®8mg硝子体内注射液114.3mg/mL」を新発売

大阪、2024年4月17日-バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、以下バイエル薬品)と参天製薬株式会社(本社:大阪市、以下Santen)は本日、眼科用VEGF*阻害剤「アイリーア®8mg硝子体内注射液114.3mg/mL」[アフリベルセプト(遺伝子組換え)硝子体内注射液、以下アイリーア®8mg]を発売したことをお知らせします。
 

*VEGF=血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor)

 

眼科用VEGF阻害剤は、回復不可能な失明や視力障害の原因となりうる中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性(nAMD)1)および糖尿病黄斑浮腫(DME)に対する標準治療薬として、現在多くの患者さんの治療に使用されています。その中で、硝子体内投与を必要とされる患者さんおよび医療従事者のアンメットニーズとして、投与間隔の延長と投与回数の減少、ならびに投与手技に関連する有害事象のリスクの軽減が期待できる薬剤の開発が求められていました。
アイリーア®8mgは、既承認のアイリーア® 硝子体内注射液40mg/mL[濃度40mg/mL(用量2mg)、投与容量0.05mL、以下アイリーア®2)3)と比べ、より高濃度[濃度114.3mg/mL(用量8mg)、投与容量0.07mL]で硝子体内投与を行う製剤です。アイリーア®8mgは、nAMD、DMEの適応を有し、これらの疾患に対する導入期後の維持期において、アイリーア®は、通常、2ヵ月ごとに1回の投与だったところ、アイリーア®8mgでは、通常、16週ごとに1回の投与が可能となります。アイリーア®の有効性と安全性を損なうことなく、持続可能な疾患コントロールを実現することで、投与間隔を延長するとともに患者さんの負担を軽減することができ、これらの疾患の新たな標準治療薬となることが期待されています。

 

日本国内でのアイリーア®8mgの販売はSantenが行い、本剤の製造販売承認はバイエル薬品が保有します。本剤の医薬品情報提供活動は両社が共同で実施いたします。アイリーア®は、眼科用VEGF阻害剤において最多となる6つの適応症を有しており2)、両社はこれまでアイリーア®の提供を通じて、多くの患者さんの視力改善に貢献してきました。今後もアンメットニーズに応える製品の提供を通じ、網膜疾患領域における患者さんの生活の質の向上を目指した治療に貢献していきます。

<アイリーア®8mg硝子体内注射液114.3mg/mLの製品概要> 

販売名:
アイリーア®8mg硝子体内注射液114.3mg/mL
 

一般名:
アフリベルセプト(遺伝子組換え)
 

効能・効果:
中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性
糖尿病黄斑浮腫
 

用法・用量:
アフリベルセプト(遺伝子組換え)として8mg(0.07mL)を4週ごとに1回、 通常、連続3回(導入期)硝子体内投与するが、症状により投与回数を適宜減じる。その後の維持期においては、通常、16週ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調整するが、8週以上あけること。
 

発売日:
2024年4月17日
 

薬価:
181,763円
 

製造販売承認日:
2024 年1月18日
 

製造販売元:
バイエル薬品株式会社
 

発売元:
参天製薬株式会社

<製剤写真>
アイリーア®8mg 製剤写真

【nAMDおよびDMEについて】

新生血管(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)は急速に進行する眼の疾患であり、治療を行わずに放置すると、数か月で視力の喪失に至る可能性があります。nAMDは世界中で、回復不可能な失明や視力障害の主な原因の1つとなっています。nAMDは加齢の影響を受ける可能性があります。異常な血管が新生し、中心視力を調節し鮮明な視力を維持するのに深く関わる黄斑下に滲出液が漏出することで起きます。この滲出液は黄斑に傷をつけ損傷させることで、視力低下を引き起こします。世界で1億9,600万人が加齢黄斑変性(AMD)を発症しており、2040年までには2億8,800万人に増加すると予測されています。AMD患者の約10~15%が進行型であるnAMDを発症しています。

 

DMEは、糖尿病患者によく見られる眼の合併症です。高血糖が眼内の血管を傷つけ、滲出液が黄斑内に漏出することで発症します。視力低下を引き起こし、場合によっては失明に至ります。世界で1億4,600万人が糖尿病網膜症を発症しており、より深刻な疾患であるDMEを引き起こす可能性があります。DMEの患者数は、世界で約2,100万人と推計されています。

1)中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性は、一般的に新生血管を伴う加齢黄斑変性(nAMD)として知られる。
2)中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫、血管新生緑内障および未熟児網膜症の適応を取得
3)未熟児網膜症以外の効能又は効果における濃度(用量)および投与容量[未熟児網膜症:濃度40mg/mL(0.4mg)、投与容量0.01mL]

バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。グループ全体の売上高は476億ユーロ、従業員数は約100,000名(2023年)。特別項目計上前の研究開発費は58億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。
 

バイエル薬品株式会社について
医療用医薬品、コンシューマーヘルスの各事業を通じて、日本の患者さんのための治療に変革をもたらす持続可能な取り組みを推進しています。医療用医薬品部門では、循環器・腎臓領域、オンコロジー領域、眼科領域、婦人科領域、血液領域、画像診断領域に、コンシューマーヘルス部門では、赤ちゃんの「人生最初の1000日」に適切な栄養を届けるため、女性の妊娠準備と妊娠期間を支援するサプリメントなどに注力しています。詳細はwww.pharma.bayer.jp, Facebook,YouTubeをご参照ください。
 

Santenについて
Santenは、眼科領域に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、世界中の患者さんや生活者、医療関係者の皆さまへの価値ある製品やサービスの提供を通じ、人々の「Happiness with Vision」の実現に貢献することを目指しています。創業以来、「天機に参与する」という基本理念の下、130年以上にわたり人々の目の健康維持・増進を追求してきました。現在、眼科領域における医薬品の研究開発、製造、販売・マーケティング活動をグローバルに展開し、世界60以上の国・地域で約5,000万人の人々の目の健康をサポートしています。私たちのミッションは、眼科領域における専門性と患者さん視点から創出される製品やサービスを通じて、目の病気の予防や診断、治療において今まで提供されていない重要な価値を患者さんや社会に提供し続けることです。一人でも多くの患者さんが幸せで豊かな人生を過ごすことができる未来を創り出すため、世界中の人々が「見る」を通じた幸せを実感できる社会の実現に向けて全力を尽くしています。
詳細については、当社ホームページhttps://www.santen.com/jaをご参照ください。



バイエル薬品株式会社、参天製薬株式会社
2024年4月17日、大阪
 

将来予想に関する記述(Forward-Looking Statements)

このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。