本資料は2月8日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.bayer.com/media/en-us/をご参照ください。
新生血管型(滲出型)加齢黄斑変性に対する投与間隔を延長したアイリーア®8mgの投与3年目における長期的な有効性と安全性プロファイルを確認
- PULSAR試験の非遮蔽延長期間の結果、アイリーア®8mgを投与された新生血管型(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)患者では、投与3年間を通じて改善した視力と滲出液コントロールが持続することが示された
- 投与3年目終了時点において、アイリーア®8mg投与群に無作為割付された患者の大多数は、最後に割り当てられた投与間隔が3カ月以上であった
- 投与3年目終了時点において、最後に割り当てられた投与間隔が5カ月以上であったアイリーア®8mg投与群に無作為割付された患者の割合は40%、6カ月であった患者の割合は24%
- アイリーア®8mgの長期安全性プロファイルは投与3年目もこれまでと一貫していた
ベルリン、2025年2月8日 ― ドイツ・バイエル社と提携パートナーであるリジェネロン社は、新生血管型(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)患者を対象としたPULSAR試験の非遮蔽延長期間の投与3年目の結果を、米国マイアミで開催された第22回Angiogenesis年次会議で発表しました。このデータは、アイリーア®8mg(アフリベルセプト8mg、114.3 mg/ml 硝子体内注射液)の高い持続性と、投与3年目終了時点における長期的な有効性および安全性プロファイルを確認しました。
アイリーア®8mg投与群の患者では、投与3年間を通じて改善した視力と滲出液コントロールを維持していました。投与3年目終了時点において、アイリーア®8mg投与群に無作為割付された患者の大多数は、最後に割り当てられた投与間隔が3カ月以上でした。投与3年目終了時点において、次回の最終投与間隔が5カ月以上であったアイリーア®8mg投与群に無作為割付された患者の割合は40%であり、6カ月であった患者の割合は24%でした。アイリーア®8mgの投与により、ベースラインからの平均中心網膜厚(CRT)の大幅な減少が3年間にわたり維持されました。アイリーア®8mgの安全性プロファイルは、投与3年目もこれまでと一貫していました。
中国のティエン・Y・ウォン教授は、次のように述べています。「私たちは、アイリーア®8mgの長期的データが、かなりの割合の患者さんで6カ月ごとに1回のアイリーア®8mgを投与することで、長い治療間隔の利点を享受できることを示したことを嬉しく思います。肯定的なデータに基づき、アイリーア®8mgは網膜疾患における新たな標準治療になる可能性があると確信しています」
ドイツ・バイエル社医療用医薬品部門リーダーシップチームメンバーで、エグゼクティブバイスプレジデント グローバル製品戦略&コマーシャリゼーション責任者のクリスティーン・ロスは次のように述べています。「人口の高齢化と新生血管型(滲出型)加齢黄斑変性の罹患率の上昇により、より持続的な治療法が喫緊に必要とされています。アイリーア®8mgの長期的な結果が、患者さん、介護者、眼科医における重要なニーズに応える可能性を示していることを嬉しく思います」
最高矯正視力(BCVA)の平均変化量で評価したアイリーア®8mgの有効性は、延長期間開始時(ベースライン:96週目)と比較して、投与3年目(156週目)まで維持されました。
アイリーア®8mgの安全性プロファイルは、投与3年目も一貫して、アイリーア®2mgの確立された安全性プロファイルと一致しています。長期安全性データでは、アイリーア®8mg(3カ月または4カ月ごとの投与)に無作為に割り付けられた患者や、アイリーア®2mgからアイリーア®8mgに切り替えた患者を含め、いずれの投与群においても新たな安全性シグナルは認められませんでした。試験薬投与下で発現した眼の有害事象の発現割合は、すべての投与群で同程度でした。閉塞性血管炎の症例は報告されませんでした。眼内炎の発現割合は、投与3年間を通じて低値でした(アイリーア®8mgに切り替えた患者で2.4%、ベースラインでアイリーア®8mgに無作為に割り付けられた患者で1.9%)。
これらの長期データは、アイリーア®8mgの持続的な有効性と安全性プロファイルを示しています。これは、現在の標準治療であるアイリーア®2mgと同様の有効性と安全性プロファイルを有しながら、患者さんや眼科医にとって疾患負担が減されることを意味します。
アイリーア®8mgは、EU、英国などの主要市場において、DMEおよび新生血管型(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)の投与間隔が最長5カ月であることが承認されている唯一の抗VEGF治療薬です。
アイリーア®8mg(アフリベルセプト8mg、米国ではアイリーア®HD)は、バイエル社とリジェネロン社が共同開発しています。リジェネロン社は、米国におけるアイリーア®2mg(アフリベルセプ ト2mg)およびアイリーア®HDの独占的販売権を保持しています。バイエル社は米国以外での独占的販売権を有し、薬事承認取得後のアイリーア®2mgおよびアイリーア®8mgの販売 による利益は両社で均等分配されます。
【PULSAR延長試験について】
本非遮蔽延長期間の目的は、新生血管型(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)患者を対象に、96週目から156週目までのアイリーア®8mgの長期的な有効性、安全性、および持続性を評価することでした。96週目までアイリーア®2mgによる治療を受けていたすべての患者は、アイリーア®8mgの12週ごと投与に切り替えることが可能でした。これらの切り替え患者(n=208)には、最初の月1回のアイリーア®8mgの投与は必要ありませんでした。96週目までアイリーア®8mgで治療を受けていた患者(n=417)は、96週目までの最後に割り当てられた投与間隔を継続しました。非遮蔽延長期間に参加した患者の大多数(90.2%)が試験を完了しました。疾患活動性は108週目まで4週間ごとに経過観察され、その後は12週間ごとに観察されました。疾患活動性は、臨床的な観点から患者の状態に応じた用法変更(DRM)基 準に従い評価されました。疾患活動性のない患者では、投与間隔は2週間ずつ延長され、最長24週間(6カ月)まで延長が可能でした。疾患活動性のある患者では、投与間隔は2週間ずつ短縮され、最短の投与間隔は8週間(2カ月)でした。
【nAMDおよびDMEについて】
新生血管型(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)は急速に進行する眼の疾患であり、治療を行わずに放置すると、数カ月で視力の喪失に至る可能性があります。nAMDは世界中で、回復不可能な失明や視力障害の主な原因の1つとなっています。nAMDは加齢の影響を受ける可能性があります。異常な血管が新生し、中心視力を調節し鮮明な視力を維持するのに深く関わる黄斑下に滲出液が漏出することで起きます。この滲出液は黄斑に傷をつけ損傷させることで、視力低下を引き起こします。世界で1億7,000万人が加齢黄斑変性(AMD)を発症しており、2040年までには2億8,800万人に増加すると予測されています。AMD患者の約10%が進行型であるnAMDを発症しています。
DMEは、糖尿病患者によく見られる眼の合併症です。高血糖の状態が眼内の血管を傷つけ、滲出液が黄斑内に漏出することで発症します。視力低下を引き起こし、場合によっては失明に至ります。世界で1億4,600万人が糖尿病網膜症を発症しており、より深刻な疾患であるDMEを引き起こす可能性があります。DMEの患者数は、世界で約2,700万人と推計されています。
バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。2023年のグループ全体の売上高は476億ユーロ、従業員数は約100,000名、特別項目計上前の研究開発費は58億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。
バイエル薬品株式会社について
医療用医薬品、コンシューマーヘルスの各事業を通じて、日本の患者さんのための治療に変革をもたらす持続可能な取り組みを推進しています。医療用医薬品部門では、循環器・腎・代謝領域、オンコロジー領域、眼科領域、婦人科領域、血液領域、画像診断領域に、コンシューマーヘルス部門では、赤ちゃんの「人生最初の1000日」に適切な栄養を届けるため、女性の妊娠準備と妊娠期間を支援するサプリメントなどに注力しています。詳細はwww.pharma.bayer.jp, Facebook, YouTubeをご参照ください。
バイエル薬品株式会社
2025年2月13日、大阪
将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。