イベントレポート
バイエル ヘルシーエイジング
人生100年時代の「健康と幸せ力」プログラム
「糖尿病から腎臓を守るためにできること ~早期診断と、糖尿病に関連する合併症への理解〜」開催
11月11日に、バイエル ヘルシーエイジング 人生100年時代の「健康と幸せ力」プログラムの一環として、第2回オンラインセミナー「糖尿病から腎臓を守るためにできること~早期診断と、糖尿病に関連する合併症への理解〜」を開催しました。
厚生労働省の平成28年「国民健康・栄養調査」によると、日本における糖尿病有病者、糖尿病予備群はいずれも約1,000万人と推計され、国民の多くが関わる疾患です1)。症状が進行することで、腎症や網膜症、神経障害といった三大合併症のリスクが高まるため、医療機関の早期受診・治療が重要です。特に糖尿病性腎症は、わが国で透析を受けている方の最も多い原疾患で、患者さんのQOLを著しく低下させる可能性がある合併症です2)。そこで、バイエル薬品では、世界糖尿病デーを含む11月第2週目の「全国糖尿病週間」にあわせて、本イベントを開催しました。
バイエル ヘルシーエイジング としては、第2回目となる今回のオンラインセミナー。当日は、申し込み時の事前アンケートで申告された450名以上の方に本オンラインセミナーを視聴いただき、糖尿病、そして糖尿病による三大合併症の一つである糖尿病性腎症への関心の高さがうかがえました。また、最後の質疑応答の際には、事前に寄せられたものと合わせて約25件の質問が寄せられ、その中から主なものを登壇者の方にご回答いただきました。
1) 出典:平成28年「国民健康・栄養調査」の結果:
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177189.html
2) 出典:わが国の慢性透析療法の現況(P590):
https://docs.jsdt.or.jp/overview/file/2019/pdf/02.pdf
第1部:
講演「ご存知ですか?糖尿病と腎臓のかかわり~早期診断と治療の重要性~」
国際医療福祉大学教授、東京医科大学特任教授、山王病院内科部長、
日本成人病(生活習慣病)学会理事長 小田原雅人先生
第1部では、国際医療福祉大学教授、東京医科大学特任教授、山王病院内科部長、日本成人病(生活習慣病)学会理事長 小田原雅人先生より「ご存知ですか?糖尿病と腎臓のかかわり~早期診断と治療の重要性~」と題してご講演くださいました。
腎臓を守ることは心臓を守ることにつながります
小田原先生は、糖尿病による三大合併症(腎症や網膜症、神経障害)の特徴やリスク、治療法などに触れられたのち、特に腎症について、透析治療へ繋がるリスク、生活へ及ぼす影響などを解説されました。そして「糖尿病に罹患し高血糖の状態が続くことで、日本人の死因の上位にある悪性新生物(がん)や心疾患、脳血管疾患、腎不全などのリスクが高まります。腎臓を守ることは心臓を守ることにつながります。自覚症状がないからといって油断せず、血糖値と血圧の両方をしっかりとコントロールすることが重要です。本日のテーマ“腎臓”の機能悪化を予防し、生活の質を保つためには、食生活に気を配ること、禁煙、過剰飲酒の減少、適度な運動など健康な生活を維持することが重要です」と述べられました。
第2部:
トークセッション「食欲の秋でも要注意!!腎疾患の体験談&食事療法アドバイス」
- 国際医療福祉大学教授、東京医科大学特任教授、山王病院内科部長、日本成人病(生活習慣病)学会理事長 小田原 雅人 先生
- ゲスト グレート義太夫 さん
- 管理栄養士 沼津 りえ さん
休憩をはさんだセミナー後半では、小田原先生と、糖尿病、そして糖尿病性腎症により腎不全を発症され、透析治療をされているグレート義太夫さん、管理栄養士の沼津りえさんにご参加いただき、「食欲の秋でも要注意!!腎疾患の体験談&食事療法アドバイス」と題したトークセッションをおこないました。
糖尿病の予防に十分に気を付け、治療はきちんと継続しておこなうこと
グレート義太夫さんは、1995年に糖尿病を発症した当初の症状やお気持ち、2007年に糖尿病性腎症による末期腎不全のため、透析治療を開始してから現在に至るまでのご苦労や周囲の方々のサポートの大切さについて、実体験からお話をいただきました。
そして、「自分は糖尿病を軽く考えて自己判断で治療を中止するなどした結果、現在透析治療をおこなっています。透析の時間や回数も最初より増えてしまいました。透析が必要になると、仕事や生活、食生活にさまざまな制限があり、やはり大変です。皆さんも、糖尿病の予防に十分に気を付ける、もし、なってしまったら、そこから進まないようにきちんと治療を継続しておこなうということを心がけてください」と、視聴者へメッセージを述べられました。
ご家族の方も、糖尿病治療中の方も、毎日楽しく食事を楽しめるように
グレート義太夫さんのお話を聞かれた沼津さんより、糖尿病や糖尿病性腎症へ向き合う患者さんにとって大切な食事面のポイントを、専門家の立場からお話しいただきました。沼津さんからは「糖尿病の患者さんは、食事を制限しなくてはならないなど大変なことがあります。毎日楽しく食事を楽しめるよう、普段から暴飲暴食をやめよう、味の濃いものは控えよう、食べる順番を変えてみるといったことが重要です。”減塩”や”味変”を取り入れるなど意識や注意をほんの少しだけ変えることで、食に対してストレスを感じることなく、ご家族の方も、糖尿病治療中の方も、毎日の食事を楽しめるようになりますよ」と、アドバイスをいただきました。
また、小田原先生も、糖尿病、糖尿病性腎症が患者さんへ及ぼす影響について改めてお話しくださり、日々の食事や早期受診の大切さについて解説いただきました。
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